高齢運転者の条件付き免許をめぐる問題…韓国政府「高危険群に限る」釈明

AI要約

韓国政府が高齢運転者向けの「条件付き運転免許」の発行を検討する方針を発表したが、年齢を特定せずに運転能力の評価を重視することを説明。

政府は高齢者の運転資格を管理する案を検討中で、条件付き免許制を導入し運転能力を客観的に評価する研究を進めている。

高齢運転者の交通事故が増加しており、必要な対策の一部として条件付き免許制が検討されているが、混乱を招く可能性が指摘されている。

韓国政府が交通事故死亡者を減らすため、高齢運転者を対象に「条件付き運転免許」の発行を検討する方針を打ち出したが、「特定の年齢を対象にしているわけではない」と釈明した。賛否が尖鋭に分かれる問題に対して、政府が生半可な方針を発表し、混乱を招いたという批判を避けられなくなった。

21日、国土交通部などによると、前日行政安全部・教育部・警察庁など政府が合同でまとめた「2024年交通事故死亡者減少対策」資料には、高齢運転者の運転資格を管理する案が盛り込まれた。高齢者の運転能力を評価し、条件付き免許制を導入する案を今年末までに研究開発(R&D)を依頼して検討し、免許の自主返上を推進するという内容だ。資料には「高齢者の移動権を保障しつつ、歩行者などの安全を著しく脅かす場合に限り、高齢者の運転資格を制限的に管理する方針」と説明されている。条件付き免許制は夜間運転や高速道路運転を禁止したり、速度制限などの条件をつけて免許を許容したりする制度だ。

政府の高齢者運転制限という検討は現在、高齢者福祉法など国内高齢者基準が65歳以上となっていることから波紋が大きかった。統計庁の今年の65歳以上の推計人口(993万8235人、全体19.2%)が全員対象に含まれたものと解釈された。

これを受け、警察庁・国土部は一日で資料内容に誤解があると追加で説明資料を出した。「条件付き運転免許は医療的・客観的に運転者の運転能力を評価し、年齢と関係なく身体・認知能力の低下で交通事故の危険性が高いことが分かった運転者に限る」という内容が盛り込まれた。また「今年末までに高危険運転者の運転能力評価方法および条件などに関する技術開発研究が進められる予定で、来年から研究結果に基づいて十分な世論収れんや公聴会などを経て細部の検討方向を決める方針」と説明した。

警察庁は2022年4月から今年12月までソウル大学とコンソーシアムの形で関連研究開発(R&D)を進めている。対象別に条件をつける基準を設け、条件によって運転能力をどのように評価するかなどが主な研究課題だ。研究費用は計36億ウォン(約4億1000万円)という。

条件付き免許制の導入は、高齢運転者の交通事故が急増し、必要な対策の一つとされてきた。道路交通公団によると、昨年基準で満65歳以上の運転者が加害者である交通事故は3万9614件で、統計集計以来の最多となった。全体交通事故の中でも20%を占め、1年前(17.6%)より2%ポイント(p)以上増加した。しかし、高齢者の移動権を過度に侵害する批判も絶えず提起されてきた。

一部では、十分な世論収れん後、慎重に決定されるべき政府対策がかえって混乱を招いたという批判が提起された。同日、韓東勳(ハン・ドンフン)前国民の力非常対策委員長も、政府の海外直接購入への規制について自分を狙った呉世勲(オ・セフン)ソウル市長の批判に真っ向から反論し、同事案に言及した。韓前委員長は「公益のために必要ならば市民の選択権を制限することもあり得るが、やむを得ず市民の選択権を制限する時は最小限度内で、精巧に、十分に説明しなければならない」とし、「今日報じられた高年齢市民に対する運転免許制限のような問題も同じだと考える」と述べた。これに政府当局者は「検討中の対策について部署間の理解度が違っていたようだ」と説明した。