トランプ氏陣営、大統領選に向けた動画にナチズム想起の表現

AI要約

トランプ前大統領のSNSに勝利を想定した動画が投稿され、バイデン氏陣営が批判。

動画には「統一帝国」という表現が登場し、ナチズムを想起させる内容になっている。

バイデン氏陣営はトランプ氏の反ユダヤ主義的な言動を非難し、再び権力を握った場合の懸念を示している。

トランプ氏陣営、大統領選に向けた動画にナチズム想起の表現

【AFP=時事】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領のSNS「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」に20日、同氏が大統領選で勝利したことを想定した動画が投稿された。新聞記事の体裁を取った動画には「統一帝国(unified reich)」という表現が登場し、ジョー・バイデン(Joe Biden)氏陣営が激しく非難している。

 動画ではナチス・ドイツ(Nazis)への直接的な言及はないが、「reich」という言葉は多くの場合、アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)が率いたドイツ第三帝国(Third Reich)を指す際に用いられる。

 30秒の動画では、「ドナルド・トランプ(氏)が勝利した後はどうなるか。これからの米国は? 」とナレーターが問い掛け、米国の繁栄を示す新聞記事風の見出しが次々に映し出される。

「好景気!」「国境閉鎖」といった見出しの中に、「統一帝国(unified reich)の誕生」という表現も登場する。

 トランプ氏はこれまでにも、移民は米国の「血を汚す」「寄生虫」など、ナチズムを想起させる発言を繰り返しており、そのたびに批判の対象となってきた。

 大統領就任中の2017年には、東部バージニア州シャーロッツビル(Charlottesville)で開かれた白人至上主義団体による集会で「ユダヤ人を自分たちの代わりにはさせない」とシュプレヒコールを上げたネオナチのデモ隊を「とても立派な人々」と評し、フロリダ州にある自身の邸宅での食事会に白人ナショナリストを招いたこともある。

 動画の公開を受けてバイデン氏陣営は、トランプ氏には反ユダヤ主義的な言動を取ってきた「長い歴史」があると非難した。

 バイデン氏とカマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領の報道官は、「トランプ氏は自身が再び権力を握ったら何をするつもりかを米国民に示している。独裁者として『統一帝国』なるものを支配するつもりだ」と述べた。【翻訳編集】 AFPBB News