【コラム】米中により分けられる科学技術の世界(1)
生成型人工知能(AI)を可能にする土台は私たちの周囲の多様なデータに埋もれている人間の知識だ。
米国電機電子工学会(IEEE)傘下のデータエンジニアリング学会は多様なデータを集めて活用するコンピュータ技術の開発に関連した工学的問題を扱う学会だ。
科学技術学界では毎年最優秀論文を選定するが、今年の最優秀論文賞よりも意義深い賞も存在する。
ウィーダーホールド教授が米国防総省の研究企画機関で非定型データを活用する技術のプロジェクトを立ち上げ、これが後のインターネット時代に影響を与えることとなった。
グーグルやオープンAIなど現代のAI技術の基盤を築いた企業たちは、研究機関やベンチャーキャピタルの支援を受けながら発展してきた。
IEEEデータエンジニアリング学会では、10年前の論文を再評価し「時の試練に勝った論文賞」を授与する取り組みが行われている。
最新の賞では、チャットGPTに必須の「大規模グラフの分割」という論文を発表した研究者に賞が贈られた。