ウクライナ軍の「超精鋭部隊」で戦う日本人"BIG BOSS"壮絶戦記!

AI要約

20代前半の日本人兵士がウクライナ軍に参加し、ロシア軍拠点を襲撃して勲章を受章。

過去は陸上自衛隊でエリート部隊に所属し、英語も得意だったが、ウクライナ侵攻を機に退官。

日本からウクライナに渡り、前線復帰のためのリハビリと治療を行っている。

ウクライナ軍の「超精鋭部隊」で戦う日本人

ロシアの侵略と戦うウクライナ軍には、世界各国から多くの外国人兵士も義勇兵として参加している。その中でも特に名の知られた精鋭部隊で、高度かつ危険な作戦に身を投じ、死の淵から生還し、勲章を受章した日本人兵士がいる。今も前線復帰を目指す男が語る、すさまじい戦場のリアル。

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軍隊では兵士個人に「コールサイン」(ニックネームのようなもの)がつけられることがある。無線の呼び出しなどに使われることもあれば、単に愛称として定着するケースもあるが、彼のコールサインは〝BIGBOSS〟。以下、本記事では「Bさん」と呼ぼう。

日本の関西地方出身、20代前半のBさんは昨年末、ウクライナ陸軍傘下の精鋭外国人部隊「チョーズン・カンパニー(The Chosen Company:選ばれし者たち)」の一員として、東部ドンバス地方のロシア軍拠点を夜間襲撃で制圧するミッションに参加。

危険を伴う作戦は見事に成功し、Bさんは敵陣内で生死をさまよう重傷を負ったが、ひとりで敵一個分隊を殲滅し、生還。今年2月にウクライナ軍から勲章を受章した。現在はウクライナ国内で前線に復帰するための治療とリハビリに励んでいる。

■近接戦闘訓練で周囲の見る目が変わった

Bさんはもともと、〝日本版海兵隊〟と呼ばれる陸上自衛隊のエリート部隊、水陸機動団(以下、水機)に約4年間所属していた。その間は自衛官の仕事にすべての時間を費やし、休日も自主的に戦術研究やCQB(近接戦闘)訓練に明け暮れていたという。

また、当時から英語も得意で、米海兵隊と水機の合同訓練の際には通訳をするなど、将来有望な若手隊員だった。

ところが、2022年2月24日にロシアのウクライナ侵攻が始まると、周囲の反対を押し切って退官を決意する。

「とにかく民間人が無残に殺されていく状況を許せないと思い、ウクライナで戦うと決め、準備に1年近くかけました。

語学や体力の向上、現地からの動画を見あさりながらのイメージトレーニング、戦場や戦闘に関するデータの収集・分析。元軍人の書籍を読んで、戦闘での精神状態や生理現象について学ぶことにも多くの時間を使いました。

『不安がある=死ぬ』と思っていますので、不安がなくなるまで鍛え続けました。とにかく準備をしていないと死ぬ。いつ行けと言われても行けるようにしておく。そのことが習慣化されたのは、水機にいたからです。本当に感謝しています」