EVの充電と航続距離は改善しているが、購入予定者は激減…EYの調査で判明(海外)

AI要約

EVの充電性能や航続距離は改善されてきているが、一般ドライバーにはまだ説明責任が必要。

アメリカにおける電気自動車の需要は2023年に14%減少し、ハイブリッド車が依然として人気。

EYの調査によると、航続距離や充電場所に対する懸念が減少しているが、EVへの移行はまだ課題が多い。

EVの充電と航続距離は改善しているが、購入予定者は激減…EYの調査で判明(海外)

EVの充電性能は以前から見ると改善されているが、一般的なドライバーを納得させるためにはまだ長い道のりがあるようだ。

アーンスト・アンド・ヤングの調査によると、アメリカにおける電気自動車の需要は2023年に14%減少したという。

ほとんどのエコカー購入者にとって、ハイブリッド車が今も最良の選択肢だ。

航続距離に対する不安は解消に近付いているのに、なぜもっと多くの人がEV(電気自動車)を欲しいと思わないのだろうか。

航続距離の不安や充電に関する懸念が減っているにもかかわらず、今後2年以内に自動車の購入を計画しているアメリカの購入者のうち、EVを購入する可能性が高いと回答したのはわずか34%となっており、2023年から大幅に減少した。

アーンスト・アンド・ヤング(Ernst & Young:EY)が毎年発表している「モビリティ消費者指数(Mobility Consumer Index)」でこの傾向が明らかになった。この調査は、今後24カ月以内に新車の購入を検討していると回答した28カ国の2万人を対象としてもので、アメリカの回答者のうち、航続距離を最大の懸念事項として挙げたのは購入検討者のわずか24%(前年の30%から減少)で、充電場所を見つけることを懸念しているのはわずか23%(34%から減少)であることがわかった。

EVの需要の落ち込みは、企業がより実用的な環境対応車を購入する新たな顧客層に適応する中で、この1年のEV販売台数が伸び悩んでいることに反映されている。簡単に言うと、こうした購入者層は、過去の熱心なEVのアーリーアダプター(早期導入者)よりも満足させることがはるかに難しいのだ。

EYの調査によると、アメリカの自動車購入者のうち航続距離を最大の懸念事項に挙げたのはわずか24%で、1年前の30%から減少している。一方、充電場所を見つけることを懸念していると答えたアメリカの購入者はわずか23%で、2023年の回答者の34%から減少した。

これは大きな変化であるはずだが、現在の電気自動車の購入者は、電気自動車への切り替える際に伴う急な学習曲線を受け入れる意欲が低い。たとえ、電気自動車が安くなり、技術が向上したとしてもだ。

「勢いを維持し、EVの所有を魅力的なものにするためには、ディーラーから充電ステーションに至るまでのシームレスな顧客体験を提供し、教育することが不可欠だ」とEYのアメリカ電力・公共事業eモビリティ部門(Americas Power & Utilities eMobility)の責任者であるマーク・コルテリ(Marc Coltelli)はこの調査の中で述べている。

車両の市場価値や中古車価格の基準を提供する ケリー・ブルー・ブック(Kelley Blue Book)によると、2023年の全自動車販売台数に占める電気自動車の割合は、2022年の5.9%から上昇し過去最高の7.6%を記録したという。しかし、この販売台数の伸びは何年もの急激な成長の後、頭打ちとなっている。

2024年に業界幹部やアナリストたちは、2024年末までにEVの販売台数がより緩やかに増加すると予測しており、2024年は自動車販売台数に占めるEVの割合は8%から10%になると見ている。