トップ選手は年収数億円…“eスポーツ大国”の韓国 急成長のきっかけは政府のIT政策

AI要約

1990年代に始まるeスポーツの成長と人気の背景

韓国でのプロリーグの盛況と大会観戦の人気ぶり

ゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」でのプレーの様子と賞金総額の高さ

トップ選手は年収数億円…“eスポーツ大国”の韓国 急成長のきっかけは政府のIT政策

 オンラインの対戦型ゲームをスポーツ競技として捉えた「eスポーツ」。1990年代のIT産業の発達を契機に成長し、世界の競技人口は1億人以上とされる。韓国にはプロリーグがあり、全国各地で行われる大会の観覧チケットは即完売するほどの人気。トップ選手の年収は数億円に上る。南東部の慶州市で8日に行われたプロリーグの決勝戦には約5000人の観客が集結。大型モニターに映し出される鮮やかなプレーに、会場は熱狂に包まれていた。(韓国・慶州市で、山口卓)

 「行け行けっ、おー、信じられないプレーだ」。DJが実況する中、観客たちは食い入るように大型モニターを見つめ、技が決まるごとに手に持ったプラカードや照明を振って、悲鳴のような歓声を上げた。

 会場内は色とりどりの光が飛び交う演出で近未来的な雰囲気。選手たちは中央のステージで5人ずつに分かれ、鋭いまなざしでパソコン(PC)の画面を見つめながら、素早い手の動きで技を繰り出した。

 「一緒にプレーしている気持ちになって楽しい」。ソウルからカップルで観戦に訪れた閔ミン奎ギュ理リさん(29)は興奮気味に話した。

 対戦したのは「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」というゲームで、5人対5人のチームに分かれ、選んだキャラクターの能力を駆使して相手の本拠地の制圧を目指す。

 世界で最も遊ばれているゲームといわれる。賞金総額は4億ウォン(約4400万円)で優勝賞金は2億ウォン。観覧チケットは7万~10万ウォンと高額だが、発売後2分で完売したという。

 大会は政府機関と連携し、会場には軍人や消防士など約160人が招待された。プロリーグLCKの李禎壎(イジョンフン)事務総長は「この決勝は、ネットなど生中継の視聴者が国内だけで100万人を超え、さらに世界中で数百万人が観戦した。eスポーツは韓国を代表するスポーツとして定着し、今後も発展するだろう」と話す。