「半導体サプライチェーン、日本への投資増やす」台湾・国家発展委トップが都内で会見「日台強強連合で」

AI要約

日本と台湾のスタートアップ企業などが集う「日本・台湾イノベーションサミット」が開催され、台湾の国発展委員会の劉鏡清主任委員が日本と台湾の連携強化や半導体産業について説明。

台湾の国家発展委員会が主催するサミットでは、スタートアップ企業の連携推進や海外拠点開設などが計画されており、日本との補完関係を強調。

劉氏は半導体産業や台湾への投資拡大について語り、日台の協力関係を強化する展望を示した。

「半導体サプライチェーン、日本への投資増やす」台湾・国家発展委トップが都内で会見「日台強強連合で」

日本と台湾のスタートアップ企業などが集う「日本・台湾イノベーションサミット」が9月17日~19日、都内で開催されることに合わせ、台湾の国発展委員会の劉鏡清主任委員(閣僚級)が開幕日の17日、東京・内幸町の日本記者クラブで会見した。経済安全保障や対日半導体戦略について説明。日本と台湾は「強強連合で取り組んでいく必要がある」などと訴え、日本と台湾が相互補完関係を築いて世界に進出する展望などを語った。

台湾の国家発展委員会は日本の内閣官房に相当し、経済安全保障、スタートアップ育成、AI・半導体戦略など、台湾の成長戦略を担う中枢機関。17日に開幕した「日本・台湾イノベーションサミット2024」は国家発展委員会(国発会)が立ち上げた「Startup Island TAIWAN」主催。2022年から毎年開催されており、3回目の今年は東京都なども特別協力した。

国家発展委員会ではスタートアップ支援 「ブリッジ計画」の第一弾として位置付けており、人工知能(AI)やデジタルサービス分野などの台湾のスタートアップ企業と、日本の投資家や関連業界との連携推進を狙い、台湾からスタートアップ企業約50社が参加。開催期間中、日台で計約70社1000人余りの参加が見込まれている。

17日のサミット開幕式典後に日本記者クラブでの会見に臨んだ劉氏は、台湾にとって初となる海外スタートアップ拠点を18日に都内に開設することなどを発表。

「台湾の半導体サプライチェーン(供給網)が日本に進出するのを支援する計画を年内につくる」などと語り、半導体受託生産での世界最大手TSMC(台湾積体電路製造)工場が間もなく量産を開始する熊本県などへの投資を増やすことも明らかにした。

特に世界で高いシェアを誇る台湾の半導体産業に関しては、「安全性、信頼性、友好国、市場」の4原則を挙げ、「サプライチェーン(供給網)を再構築している」などと述べ、半導体受託生産での世界最大手、TSMC(台湾積体電路製造)の熊本県進出はこの方針に沿うとして、「第1工場の利益率は高くないが、長期的には顧客のためだ」などと指摘。 半導体の素材・設備などの分野で強い技術力をもつ日本と、製造・サプライチェーンで強みをもつ台湾が相互に補完することで、半導体市場の伸張を図りたいとの期待を示した。

また質疑応答では、北海道で次世代半導体の量産を目指すラピダスにも触れ、「遠い将来(日台の)競争関係になるかどうかは見守る必要がある」と語った。 台湾の対外投資における割合について対中国大陸が2020年の約80%から2023年には11%まで減少したことに関しては、「中国経済の不安定さが原因」とし、「多くの台湾企業が中国大陸から撤退して東南アジアに進出し、台湾にも戻っている」と説明。台湾に戻った資本額は2・3兆台湾ドル(約10・1兆円)にのぼったことなどにも言及していた。