韓国電力の負債202兆ウォン…電気料金引き上げ適期は「9月末10月初め」

AI要約

猛暑による住宅用電気料金の増加と韓国電力公社の財務危機について、料金引き上げを避けられず9月末~10月初めに実施する方針が強調されている。

韓国電力公社は過去3年間で負債が急増し、料金引き上げが必要とされている状況だが、庶民や零細業者の負担が懸念されている。

世界主要国と比較しても韓国の電気料金は依然として低いが、料金引き上げを避ける余地はなく、9月末~10月初めが最適な時期とされている。

記録的な猛暑のため8月の住宅用電気料金が1年前に比べて平均13%(7520ウォン、約795円)増え、秋夕(チュソク、中秋)後の電気料金引き上げを予告した政府の悩みが深まっている。庶民や零細業者の負担が重くなるとみられるからだ。しかし専門家は、韓国電力公社(韓電)の財政健全性を考慮すると料金引き上げは避けられず「9月末10月初め」がゴールデンタイムだと強調した。

韓国電力公社によると、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が発足した2022年以降、電気料金は6回引き上げられて1kWh(キロワット時)あたり45.3ウォン(44.1%)上昇した。しかし昨年7-9月期から今年7-9月期までは5期連続で据え置かれている。大企業が使用する産業用電気料金も昨年11月以降据え置かれている。物価高、高金利の長期化、景気沈滞のため一般世帯・自営業者など庶民経済の負担が増えている点を考慮した結果だ。

◆韓電、200兆ウォン台の負債…料金引き上げ不可避

しかし韓電の財務危機が深刻化し、10-12月期(10-12月)には必ず電気料金を引き上げるべきだという主張が強まっている。今年上半期基準で韓電の負債総額は202兆8900億ウォンと、2021年4-6月期から3年間に累積した赤字額は41兆ウォン(4-6月期末)にのぼる。2021-23年にロシア・ウクライナ戦争の影響で国際エネルギー価格が急騰したが、物価上昇の懸念を意識して韓電が原価以下で電気を供給した余波だ。2020年に132兆5000億ウォン水準だった負債は21年に145兆8000億ウォン、22年に192兆8000億ウォン、23年に202兆4500億ウォンまで増えた。

政府も料金引き上げをこれ以上は先延ばしできないという立場だ。安徳根(アン・ドクグン)産業通商資源部長官は先月26日に開かれた記者懇談会で「電気料金を引き上げる」とし、具体的な引き上げ時期については「猛暑期間が過ぎてから可能な限り早期」と述べた。料金引き上げ時期ごとに足かせとなってきた物価も安定傾向にある。8月の消費者物価上昇率は1年前に比べ2%の上昇にとどまった。これは3年5カ月ぶりの最低水準だ。

◆8月の告知書が伏兵…韓国の電気料金、主要国の半分

伏兵は8月の電気料金告知書だ。異常気候のため冷房電気の需要が急増し、電気料金の負担が増えた。韓電によると、8月の住宅用電気料金は1世帯あたり平均6万3610ウォンと、前年同月比で7520ウォン(13%)増えた。全体の2522万世帯のうち76%の1922万世帯の電気料金が前年比で増える見込みだ。料金が5万-10万ウォン増えた世帯は75万世帯、10万ウォン以上増えた世帯は38万世帯だ。

ただ、世界主要国と比較すると依然として電気料金が低いというのが韓電の説明だ。8月の1世帯あたりの平均使用量を基準にすると日本は13万5625ウォン、フランスは14万8057ウォンと、韓国の倍以上だ。米国は15万9166ウォンで韓国の2.5倍、ドイツは18万3717ウォンで2.9倍にのぼる。

◆「9月末-10月初めは年間で電気消費量が最も少ない時期」

一部では、料金引き上げの時期は「9月末-10月初め」が適期という提言が出ている。ソウル科学技術大のユ・スンフン未来エネルギー融合学科教授は「9月末から10月初めは冷暖房を使用せず、1年間で電気消費量が最も少ない時期となる。特に今年の10月は休日が多く、企業は工場の稼働を停止し、個人は外出が増えるため、使用量がさらに減るとみられる」とし「心理的に敏感な時期ではないためこのタイミングを逃してはいけない」と述べた。

韓国銀行(韓銀)の報告書「わが国の物価水準の特徴および示唆点」(6月)では「環境にやさしいエネルギーへの転換などでエネルギー生産コスト上昇が予想される状況で公共料金を低く維持するのは持続可能でないうえ、公共サービスの質の低下、エネルギーの過多消費、世代間の不平等などの問題を招きかねない」という指摘があった。