「移民がペット捕食」 トランプ氏支持者の過半数が陰謀論信じる

AI要約

オハイオ州スプリングフィールドでハイチ移民に対する陰謀論が広まり、トランプ支持者の半数以上が信じていることが明らかになった。

陰謀論はソーシャルメディアで拡散し、トランプ氏も討論会で取り上げた。事実関係は不明だが、移民に対する差別感情が高まっている。

警備強化や爆破予告のため、地域のコミュニティーは不安定な状況にある。

「移民がペット捕食」 トランプ氏支持者の過半数が陰謀論信じる

 米中西部オハイオ州スプリングフィールドでハイチからの移民が「ペットの犬や猫をさらって食べている」との陰謀論について、共和党のトランプ前大統領の支持者の計52%が「間違いなく本当」「おそらく本当」とユーガブ社の世論調査に回答した。

 この陰謀論は今月に入ってソーシャルメディアで徐々に広がり、共和党副大統領候補のバンス連邦上院議員が9日にX(ツイッター)で言及したことで拡散。トランプ氏が10日の討論会で言及したことで波紋がさらに広がった。

 11~12日のユーガブ社の調査では、9%が「間違いなく本当」、17%が「おそらく本当」と回答。11月の大統領選で「トランプ氏に投票する」と答えた人に限定すると、22%が「間違いなく本当」、30%が「おそらく本当」と回答した。

 スプリングフィールドでは過去数年間にハイチからの移民が集住するようになり、学校や病院などの対応が困難になっていた。しかし、「ペットをさらっている」との情報は確認されておらず、移民に対する差別感情をあおっている。

 米メディアによると、討論会後には爆破予告が相次ぎ、市庁舎や学校が閉鎖を余儀なくされた。学校は再開に当たって警備を強化した。マヨルカス国土安全保障長官は17日、「爆破や暴力の脅迫があり、コミュニティーは非常に脅威を感じている」と懸念を示した。【ワシントン秋山信一】