米国務長官、中東訪問もイスラエル除外 ガザ停戦交渉に暗雲

AI要約

ブリンケン米国務長官がエジプトを訪れるも、イスラエルに立ち寄らず。中東地域の停戦と人質解放をめぐる交渉に疑問が広がっている。

過去のイスラエル訪問での圧力は効果がなく、楽観的な見通しは減少。今回はエジプトとの継続的な取り組みに焦点を当てる。

エジプトの仲介役が重要であるが、ネタニヤフ首相とシンワル政治局長の意向次第で合意が困難な状況が続いている。

米国務長官、中東訪問もイスラエル除外 ガザ停戦交渉に暗雲

(CNN) ブリンケン米国務長官が18日に再びエジプトを訪問するが、中東地域への訪問にもかかわらず、イスラエルに立ち寄ることはない見通しで、バイデン米大統領の退任の前に停戦と人質解放をめぐる交渉が合意に達するのか改めて疑問が高まっている。

昨年10月7日にイスラム組織ハマスがイスラエルに奇襲を仕掛けて以降、ブリンケン氏が中東を訪問しながらイスラエルに立ち寄らないのは今回が初めて。ブリンケン氏はこれまで、人質の解放や停戦など紛争をめぐる重要な課題について、中東訪問の機会を利用してイスラエル政府に圧力をかけてきた。だが、イスラエルのネタニヤフ首相は繰り返し、会談から数時間後あるいは数日後に米政権からの提案を拒絶する姿勢を示してきた。

ブリンケン氏の最後のイスラエル訪問となった8月、米当局者は交渉が締結に近づいているとの楽観的な見通しを示していた。だが、今では、こうした楽観的な見方はほとんど存在しない。

米国務省によれば、ブリンケン氏は今回のエジプト訪問で、エジプトの当局者と会談し、人質全員の解放を確実なものとし、パレスチナ人の苦しみを緩和し、より広範囲な中東地域の安全保障を確立するため、パレスチナ自治区ガザ地区の停戦に向けた継続的な取り組みについて話し合う。ブリンケン氏はまたエジプトの外相とともに両国の「戦略的対話」を共催する。戦略的対話は、二国間関係を強化し、経済発展を深化させるとともに、文化や教育を通じて人々の絆を強めることを目的としているという。

エジプトは停戦交渉では重要な仲介国ではあるが、今回のブリンケン氏の訪問が、ネタニヤフ氏と、ハマスの最高幹部シンワル政治局長の政治的意思に影響を与えて、合意に向けた状況の打破につながる可能性は低そうだ。ネタニヤフ氏とシンワル氏のどちらが合意を望んでいるのか懐疑的な見方もある。