中東欧で記録的な豪雨、8人死亡 各地で警戒呼びかけ

AI要約

欧州中部や東欧諸国で記録的な豪雨による河川の氾濫や洪水が相次ぎ、少なくとも8人が死亡した。

各国で1カ月分に相当する大雨が降り続き、被害が拡大している。

ポーランド、ドイツ、チェコ、オーストリア、スロバキアの一部では赤警報が発令されるなど、警戒が続いている。

中東欧で記録的な豪雨、8人死亡 各地で警戒呼びかけ

(CNN) オーストリアやルーマニアなど欧州中部や東欧諸国で記録的な豪雨による河川の氾濫(はんらん)や洪水が相次ぎ、少なくとも8人が死亡した。大雨は15日も続き、各地で警戒を呼びかけている。

オーストリアの首都ウィーン、スロバキアの首都ブラチスラバ、チェコの首都プラハなどでは1カ月分に相当する大雨が降った。

ポーランドでは15日に1人が死亡。当局はダム決壊の恐れがあるとして、付近の住民に避難を呼びかけた。オーストリアでは同日、消防士1人が活動中に死亡した。

ルーマニアでは14日に4人が死亡したのに続き、15日には洪水のためさらに2人の死亡が確認された。救助隊は、豪雨で孤立した数百人の救出活動を続けている。内相が地元放送局に語ったところによると、95人が自宅から救出される一方で、家の中や庭からは遺体が発見されている。

ルーマニア南東部のガラツィでは住宅約5400棟に被害が出ている。被災した住民の女性は全てを失ったとAFP通信に語り、自宅に水が押し寄せて壁が引き裂かれ、キッチンの設備が破壊され、農場の動物たちが死んだと話した。

当局によると、特に被害が大きかった地域では過去24時間で100年ぶりの豪雨を観測した。

ポーランドやチェコでは河川が氾濫。ポーランド南西部のクウォツコでは記録的な水位に達した河川が氾濫して1600人が避難した。

ポーランドのトゥスク首相は、政府が非常事態を宣言するとX(旧ツイッター)に投稿し、欧州連合(EU)に支援を求めると表明した。

チェコも各地で豪雨に見舞われ、パベル大統領は15日、洪水はまだ到底終わっていないと記者団に説明。特に最貧地域は洪水によって今後数日で最大の被害が出るだろうと述べた。

CNN提携局のCNNプライマは15日、チェコ北東部のクルノフは市の最大80%が水に浸かったと伝えた。

消防救助隊によると、チェコでは豪雨が始まって以来、1万500人以上が避難している。

ドイツは特に南部と東部の州で洪水に対する警戒を強めており、ザクセン州は警報を出して河川の氾濫に警戒を呼びかけた。

隣国オーストリアでも豪雨のために複数の河川で水位が上昇して救助隊が出動。ニーダーエスタライヒ州は15日も豪雨が続き、複数の自治体が非常事態を宣言した。

ポーランド、ドイツ、チェコ、オーストリア、スロバキアの一部では警戒レベル最高の赤警報が発令されている。