マレーシアで大規模児童虐待、急進派との関係指摘も 首相が解明指示

AI要約

マレーシアの警察が児童福祉施設を捜索し、性的暴行や虐待の疑いで402人の未成年者を保護した。施設はイスラム急進派組織との関係が指摘され、早期の実態解明が求められている。

保護された未成年者は男女1~17歳で、施設関係者170人以上が逮捕された。捜査では性的暴行だけでなく、身体的・心的虐待も明らかになった。

捜査では男性同士の性交が強要された被害者が13人おり、身体的・心的外傷が見られた172人が特定された。関係する企業はイスラム急進派組織との繋がりが懸念されている。

マレーシアで大規模児童虐待、急進派との関係指摘も 首相が解明指示

 マレーシアの警察当局は、同国の児童福祉施設を一斉捜索し、未成年者計402人を保護した。未成年者が男性同士の性交を強いられるといった性的暴行や虐待を受けていた疑いがあることに加え、イスラム急進派組織との関係が指摘される企業がこの施設運営に関与していることが取りざたされており、アンワル首相が早期の実態解明を求める事態となっている。

 地元メディアの13日までの報道によると、保護されたのは同国中部スランゴール州とヌグリスンビラン州の計20施設にいた1~17歳の男女。警察は、施設長やイスラム教指導者ら17~64歳の170人以上を逮捕した。

 「グローバル作戦」と名付けた一連の捜査には、警察官ら計約1千人が参加。捜査幹部は11日の記者会見で、被害者らが性的暴行を受けていただけでなく、「施設の他の子どもたちに同様の行為をするよう教えられていた」と話した。ミスを犯した児童らに加熱した金属で「罰」を与えたり、「宗教的治療の一環」だと称して身体を触ったりしていたという。

 13日の会見では、同日時点で402人のうち、障害や自閉症がある10人を除いた392人の診断を終えたと公表。その結果を元に、13人の被害者が男性同士の性交を強いられた疑いがあるとし、男4人に対する捜査を開始したと明かした。また、172人に長期にわたる身体的または心的外傷が見られたという。

 捜査幹部は初期捜査の結果を元に、摘発を受けた児童福祉施設は同国の食品関連企業と関わりがあると主張した。地元メディアはこの企業と、1994年にマハティール政権下で活動を禁じられたイスラム急進派組織「アル・アルカム」の関係を指摘する。