ニュージーランド、外国人観光客に課す税金を10月から約3倍に値上げ（海外）

ニュージーランドは、外国人観光客に課す国際観光客保護・観光税を10月から約3倍に値上げする。

外国人観光客は今後、100NZドル（約8900円）を払うことになる。ただし、オーストラリア人と一部の太平洋諸島の住民は対象外だ。

外国人観光客の数が増える中、今回の値上げは観光と自然保護の課題に対処するためのものだ。

ニュージーランド政府は先週、外国人観光客に課す国際観光客保護・観光税を10月から約3倍に値上げすると発表した。

現在は35NZドルの国際観光客保護・観光税（IVL）が100NZドルになる。

ニュージーランドの企業・技術革新・雇用省（MBIE）によると、IVLは「観光と自然保護における現在の課題に取り組む」ためのもので、ニュージーランド国民が海外からの観光客に関連するコストを「不当に負担する」ことがないようにするという。

ニュージーランドでは近年、海外からの観光客が大幅に増加していて、MBIEはその影響でニュージーランドの「インフラ、環境、地域社会、特定の地域における観光業の社会的な認可」が問題になっていると指摘している。

ただし、オーストラリア人と一部の太平洋諸島の住民、ニュージーランドで乗り継ぎをする旅行者は値上げの対象外だ。

IVLは害虫駆除や生物多様性への投資、観光地への訪問者のアクセスの強化など、さまざまな観光および環境保護の取り組みを支えるために使われてきた。

5月から6月にかけて募集したIVLの変更案に対するパブリックコメント（意見公募）には約1100件の意見が寄せられ、その88％が現在の水準では、観光と自然保護が直面する問題に対処するには不十分であることに同意した。

また、寄せられた意見のうち93％がIVLの値上げに賛成していて、値上げ幅が一番大きい100NZドルへの変更に賛成する声が半数以上を占めた。

MBIEによると、IVLの値上げによって年間約2億2900万NZドルの収入が見込まれる。

ニュージーランド政府観光局が2023年に公表した調査結果によると、ニュージーランドの住民はゴミの増加、駐車場の確保が難しくなったこと、交通量の増加など、観光が地域社会に悪影響を及ぼしていると感じていることが分かった。

また、調査対象者の約3分の2が観光が環境に及ぼす影響に懸念を示した。

ニュージーランド王立協会によると、観光客が押し寄せることで混雑や動植物の生息地の破壊、野生生物の妨害、騒音公害を引き起こす可能性があるという。

観光業はニュージーランド経済の3.7％を占める主要産業の1つである一方、ニュージーランドの自然のランドマークに直接的な影響を及ぼしている。

環境保全省（DOC）によると、海外旅行の約70％はハイキングや自然の名所を訪れるなど、「自然をベースにした」活動を伴う。

同省は2021年、Visiting New Zealand just got more expensive as the country triples tourism feeへの観光客が増加したことで、現地が「かなりのストレス」にさらされていると指摘した。IVLによる収入は、このフィヨルドを保護するための基本計画に使われたこともある。