最年少から最年長へバトン 「国民の怒りに対処」 仏新首相

AI要約

フランスの新首相に73歳のバルニエ氏が就任し、アタル氏から職務を引き継いだ。

バルニエ氏は就任演説で、国民の怒りや苦しみに対処する姿勢を示し、各政治勢力との協調を強調した。

一方、アタル氏は退任の際に不満を漏らしながらも、バルニエ氏に支持を表明した。

 【パリ時事】フランスのバルニエ新首相(73)は5日のマクロン大統領による任命を受け、アタル前首相(35)から職務を引き継いだ。

 1958年に始まった第5共和制の首相でアタル氏は最年少、バルニエ氏は最年長とされ、パリの首相府でのバトンタッチの様子が大きく報じられた。

 バルニエ氏は首相府での就任演説で、国民が7月の総選挙で示した「怒りや苦しみに可能な限り対処する」と述べ、これまでのマクロン政権から変化すると強調。左派、中道、極右の3陣営が反目し合う下院を念頭に「全ての政治勢力を尊重しなければならない」と語り、各党と協調していく姿勢をアピールした。

 バルニエ氏は2017~20年に行われた英国の欧州連合(EU)離脱交渉でEU側の首席交渉官を務め、名をはせた。政治経験豊富で温厚な人柄や、21年に70歳で仏大統領選への出馬を目指した経緯から「フランスのジョー・バイデン」と呼ばれることもある。

 一方、1月の就任からわずか8カ月での退任となったアタル氏は「短過ぎる。不満があることも隠さない」と心情を吐露。その上で「フランスの政治は病んでいるが、党派主義を克服できれば治癒は可能だ」と、バルニエ氏にエールを送った。