相手はなす術なし…パリ・パラ、座位バレーで「無敵」のイラン代表「世界2位の高身長」の男が異次元すぎる

AI要約

イラン代表のシッティングバレーボール選手、モルテザ・メヘルザドセラクジャニ選手の活躍について。メヘルザドセラクジャニ選手は身長246cmで世界で2番目に背の高いパラリンピック選手であり、イラン代表チームの強さの原動力となっている。

イランはパリパラリンピックのシッティングバレーボール競技で非常に強く、メヘルザドセラクジャニ選手を擁して無敵の強さを誇っている。現在、イラン代表は金メダルを目指し、準決勝に進出している。

メヘルザドセラクジャニ選手はアクロメガリーという病気で育ち、15歳の時に自転車事故で重傷を負い右脚の成長が止まった。しかし、困難を乗り越えてシッティングバレーボール選手として活躍している。

相手はなす術なし…パリ・パラ、座位バレーで「無敵」のイラン代表「世界2位の高身長」の男が異次元すぎる

シッティングバレーボールは、身体障害があるアスリート向けに作られたスポーツで、一般のバレーボールより狭いコートに、高さ120cm以下という低い位置にネットを張ってプレーを行う。この競技でもう何年も「無敵」の強さを誇り、パリパラリンピックで連覇を目指しているのがイラン。そして、その強さの原動力となっているのが、現在世界で2番目に身長の高い男性であるモルテザ・メヘルザドセラクジャニ選手だ。

この競技で選手は、座ったままの体勢でコート内を移動するため、敏捷性や、状況に応じて適切に体を動かす能力が非常に重要とされる。だが、36歳のモルテザ・メヘルザドセラクジャニの武器は、その並外れた高身長。そのおかげでイラン代表は、対抗できるチームがほとんどいないほどのアドバンテージを手に入れている。

身長246cmのメヘルザドセラクジャニは、史上最も背が高いパラリンピック選手であるだけでなく、金メダルを獲得しようとしているイラン代表チームの躍進を支える原動力となっている。パリパラリンピックでイランはこれまで1セットも失っておらず、1次リーグではブラジル、ウクライナ、ドイツにオールストレート勝ちした。

1次リーグ最終戦となるドイツ戦でも勝利を収めたイランは準決勝に進み、3大会連続となるこの競技での金メダル獲得に向けて絶好の位置につけている。仮に今回も優勝すれば、イランが最初に金メダルを獲得した1988年大会以降、パラリンピックのシッティングバレーボール競技では、10大会で通算8つ目の金メダルとなる。(準決勝は9月5日の予定)

イラン男子チームがパリ大会で準決勝に駒を進める中で、チームを牽引するメヘルザドセラクジャニの存在が、イランにさらなるパリパラリンピックのメダルをもたらすことを期待されている。現時点で、イランのメダル獲得数は12個(うち金2つ、銀7つ、銅3つ)となっている。

■事故で片脚の成長が止まり、引きこもった時期も

メヘルザドセラクジャニの人生は、アクロメガリー(先端巨大症)と診断されたことで、大きな転換点を迎えた。アクロメガリーとは、成長ホルモンの過剰分泌によって生じる症状だ。

メヘルザドセラクジャニは、モロッコのアミューズメントパークに勤務するブラヒム・タキオウラと並んで、世界で2番目に身長の高い男性とされている。タキオウラも、メヘルザドセラクジャニと同じくアクロメガリーを発症している。世界で最も身長の高い男性はトルコで農業を営むスルタン・キョセンで、2人を約5cm上回っている。

メヘルザドセラクジャニがスポーツ選手となるまでの道には、紆余曲折があった。15歳の時には、自転車事故に遭って骨盤に重傷を負い、右脚の成長が止まった。このため、彼の右脚は左脚よりも約15cm短くなっている。

この負傷によって、彼の運動能力には大きな制約が生じ、肉体的・精神的に多くの困難に直面したことで、引きこもりがちな生活を送るようになった。そんなメヘルザドセラクジャニが、イランのシッティングバレーボールチームによって見出されたのは、彼が20代半ばになってからのことだった。