極右、州議選で初の第1党に 国政与党は敗色濃厚 独東部

AI要約

テューリンゲン州とザクセン州で行われた州議会選挙で極右政党AfDが好成績を収め、テューリンゲン州では初めて第1党になる可能性が高い。

CDUはAfDに次ぎ、第2党の地位を確保しており、州内で主導権を握る見通し。

国政与党は不振で左派新党BSWが3番手に入る見込み。AfDやBSWは主流政党に代わる選択肢となっている。

 【ベルリン時事】ドイツ東部のテューリンゲン州で1日、州議会議員選挙が行われ、公共放送ZDFの開票速報によると、反移民を掲げる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が得票率約33%を固め、2013年の結党以来、初めて州議会レベルで第1党を確保する見通しとなった。

 同日実施の東部ザクセン州議選でも3割超を獲得。首位の国政最大野党キリスト教民主同盟(CDU)から僅差の2番手につけている。

 AfDのクルパラ共同党首は「政治の変化が有権者の意思だと明確になった」と訴えた。ただ他党は協力を拒んでおり、州首相選出は困難とみられる。

 ショルツ首相率いる社会民主党(SPD)など国政与党3党は、敗色が濃厚。左派新党BSWは両州で12~15%前後を獲得し、3党をいずれも抑えて3番手に入る方向だ。BSWは旧東独独裁政党の流れをくむ左派党から分派し、1月に旗揚げしたばかり。AfDと共に、難民への厳しい対応や、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの武器支援の反対を主張しており、主流政党に対する不満の受け皿となった。

 CDUはテューリンゲンで約24%の支持を得て、AfDに続いている。両州で多数派形成の主導権を握りそうだ。