「それって、本当にそうやって食べるんですか」奈良時代の詩歌を研究するフランス人が初めて見たとき、半信半疑になった食べ物

AI要約

フランスの文学者アルチュール・デフランス氏が、日仏会館での受賞記念講演会で、日本への興味を語った。

彼はパリ出身で、子供時代から日本の食文化や映画に触れる中で日本に関心を持ち、日本語の勉強を始めた。

外国語学習についても語り、自身はフランス語、日本語、英語を読解でき、独学での学習は難しいと述べた。

「それって、本当にそうやって食べるんですか」奈良時代の詩歌を研究するフランス人が初めて見たとき、半信半疑になった食べ物

奈良時代に編纂された和歌集『万葉集』や漢詩集『懐風藻』の研究で、2023年度「渋沢・クローデル賞」フランス側受賞者となった文学者のアルチュール・デフランス氏に、受賞記念講演会があった日仏会館で聞いた。

──フランスのどちらのご出身ですか。

いちおう、パリの出身です。パリ郊外のヌイイで生まれ、シャトネで育ちました。高校でパリに移り、それからずっとパリで学業を続けてきました。

──日本に関心を持ったきっかけは何でしたか。

子供時代の友達のお父さんが、日本語の先生だったんです。その友達の家に行くたびに、日本の食べ物や本、DVDなど日本の文化との出会いがありました。

そこで初めて「おにぎり」というものを見たとき、「それって、本当にそうやって食べるんですか」と半信半疑でしたが、食べてみると、うまいことがわかりました。

DVDは、黒澤明の映画が多かったです。小津安二郎の映画も見ていたと思います。『東京物語』は、子供が見てもちょっとわからないかもしれないので違ったかもしれませんが(笑)。そういったところから日本に興味を持ちはじめました。

高校のとき、その友達が日本語の勉強を始めたので、自分も始めました。もっともその友達は、いまは国語(フランス語)の先生になっていて、日本語とはぜんぜん関係のない生活をしているんですけれどもね。

──デフランスさんは何ヵ国語ができるのですか。

うまく読めるのはフランス語です。ほかは日本語がある程度は読めます。英語は何とかなります。それ以外に勉強したことがある言語はドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、中国語ですが、これらの言語の文章は、「いまひとつよくわからないぞ」と感じながら読むレベルです。

──外国語を学ぶコツを教えてください。

いい先生がいるといいんですけれどね。外国語の学習には、さまざまな流儀があるとは思います。先生がいないと何もできない人もいれば、自分のスピードで学んでいく人もいます。どの言語を学ぶのかによっても、変わってくるところがあります。

フランス人の場合、日本語を先生なしで完全に独学で勉強しようと思ったら、かなり難しいです。ただ、そうやって独学で日本語を相当なレベルまで習得している天才のような人にも会ったことがあります。自分にそれができるかというと、心もとないです。