金正恩委員長、韓米連合演習期間に「ソウル火の海」240ミリ放射砲参観

AI要約

北朝鮮が新型 240ミリ放射砲の検収試験射撃を公開し、技術更新を強調。この放射砲は韓国に対する脅威とロシアへの輸出を目的とする。

金正恩国務委員長が射撃を参観し、新型放射砲の優越性を確認。北朝鮮は放射砲の射程距離や精密度を向上させており、多連装放射砲として運用中。

北朝鮮は最近になり潜水艦の一部を国際海事機関に登録。古い艦船も含まれるが、中国やロシアとの連合訓練を念頭に置いているとみられる。

金正恩委員長、韓米連合演習期間に「ソウル火の海」240ミリ放射砲参観

韓米が連合演習「乙支フリーダムシールド(UFS)」を実施する中、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が新型240ミリ放射砲の検収試験射撃を参観したと、北朝鮮国営メディアが28日報じた。韓国の首都圏を射程距離に置く放射砲の試験発射は直接的な対南脅威であると同時に、武器取引を拡大中のロシアに輸出する目的もあるとみられる。

労働新聞はこの日、「金正恩同志が27日、第2経済委員会傘下の国防工業企業所で生産されている240ミリ放射砲武器体系の検収試験射撃を視察した」とし、写真を共に公開した。同紙は「機動性と打撃集中性で技術が更新された放射砲武器体系はこの日の検収射撃でまた新たに導入された誘導体系と操縦性、破壊威力などすべての指標で優越性が立証された」と主張した。また、金正恩委員長がこの席で「砲武器の生産と部隊に交替装備させる事業に必要な重要方針」を明らかにしたとも伝えた。

北朝鮮国営メディアは移動式発射台(TEL)から放射砲2発が発射される場面も公開した。韓国軍の合同参謀本部の関係者は「昨日午前、西海(ソヘ、黄海)上に発射された北の放射砲を監視・追跡した」とし「現在進行中のUFS連合演習と野外機動訓練は計画通り正常に施行される」と明らかにした。北朝鮮は2発だけを公開したが、軍は実際には数発を発射したと把握している。

今回の射撃には朴正天(パク・ジョンチョン)労働党中央軍事委副委員長、趙春竜(チョ・チュンリョン)党中央委書記、李永吉(イ・ヨンギル)人民軍総参謀総長、金正植(キム・ジョンシク)党中央委第1副部長、キム・ヨンファン国防科学院長らも出席した。

北朝鮮が「技術更新」を強調している新型240ミリ放射砲は多連装放射砲(MLRS)であり、韓国側の前方部隊と首都圏が射程圏に入る。北朝鮮側が「ソウル火の海」に言及する際に登場する武器であり、対南威嚇用に分類される。

北朝鮮は1980年代前後に生産された放射砲の射程距離を拡大すると同時に精密度を高め、新型に置き換える作業を進めている。北朝鮮は今年2月、「操縦放射砲弾と弾道操縦体系を新しく開発するのに成功した」と初めて主張した。従来の放射砲の射程距離は40キロほどだが、新型は操縦翼をつけて射程距離を70-100キロまで伸ばした可能性が提起される。

ただ、今回の検収試験射撃公開の背景については対南脅威用、対ロシア輸出用などいくつかの思惑あると、専門家らはみている。北朝鮮は4月にも新型240ミリ放射砲の検収射撃を金正恩委員長が参観したと明らかにした。

統一研究院のホン・ミン研究員は「今年、新型放射砲の全面的な生産・配備計画を用意し、一連の最終点検日程に基づいて進行される」とし「大規模な機動訓練が伴うUFSの期間に公開したという点から、北の(韓米連合演習に対する)対応意志を間接的に表すという意図を読むことができる」と指摘した。通常、北朝鮮は韓米連合演習期間中に対応の武力示威をしてきたが、今回の射撃公開もこうしたレベルという解釈だ。

北朝鮮大学院大学の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は「北は今年からタンク、装甲車、放射砲など通常兵器の現代化と無人機など通常兵器開発に拍車を加えている」とし「これは核抑止力を備えたという判断の下、通常兵器の劣勢を挽回しようというものとも考えられる」と分析した。

一方、北朝鮮は最近、「金君玉(キム・グンオク)英雄」「8.24英雄」など主要潜水艦13隻を国際海事機関(IMO)に登録申請したことが確認された。ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は28日(現地時間)、「IMO国際通合計海運情報システム(GISIS)に『サンオ(=サメ)2級』1号から11号まで、また新浦(シンポ)級『8.24英雄』と新浦C級の『金君玉英雄』などの潜水艦が『朝鮮政府海軍』所属の北朝鮮船籍で登録された」と報じた。通常、商船でなく軍艦をIMOに登録する必要はないが、異例にもIMOに登録を申請したということだ。

北朝鮮が保有する潜水艦は約70隻と推定されるが、その一部だけを登録した背景にも関心が集まっている。これに関し専門家ら北朝鮮が中国・ロシアとの連合訓練を念頭に置いている可能性があると分析した。

ランド研究所のブルース・ベネット上級研究員はVOAに「北朝鮮が自らの潜水艦力量を実際に備えたことを知らせるためとも考えられる」とし「ただ、今回公開された潜水艦の相当数は年式が古く海外での運航が事実上不可能だが、中国とロシアの沿岸では十分に可能であり、そのための準備過程とみられる」と述べた。

北朝鮮は昨年、鴨緑(アムノク)級護衛艦「661」などもIMOに登録した。「最新型」という北朝鮮の主張とは違い、IMO船舶情報を通じて1992年にロシア・ウクライナなどが使用した旧型艦艇という履歴が表れたりもした。