AI関連職を追い求めることは、キャリアを作る上で最善ではない(海外)

AI要約

AIキャリアへの関心が高まる中、AI関連職に盲目的に飛びつくのは賢明ではない。テック業界の不安定性が指摘されている。

代わりに、自分の得意とする分野を追求し、それをAIで強化することが提案されている。長期的な安定性を求めるためのアプローチ。

AI関連職の需要が高まる中、教育機関や個人がスキルアップに注力。AIを活用するだけでなく、自身の情熱を追求することの重要性が強調されている。

AI関連職を追い求めることは、キャリアを作る上で最善ではない(海外)

AI関連職の需要の高まりとともに、AIキャリアへの関心は高まっている。

ニューヨーク大学スターンのチーフAIアーキテクトのコナー・グレナンは、AI関連職を追わないよう警告している。テック界の周期的な性質が、その理由だ。

代わりに、自分の得意とすることを追求し、それをAIで強化するようにグレナンは提案している。

AI関連の雇用市場が熱い。そして誰もが、そこに加わわりたいと思っているようだ。

こうした職種の需要の高まりを受け、各大学はカリキュラムを開発している。一方、人々は短期集中講座に申し込んだり、独自のプロジェクトを組んだり、AIレースに向けてスキルアップを図っている。

だが、AI関連だからと言って飛び付くのは、賢明ではないかもしれないとニューヨーク大学経営大学院(Stern School of Business、通称スターン)のチーフAIアーキテクト、コナー・グレナン(Conor Grennan)はBusiness Insiderに語った。テック業界の周期的な性質をグレナンは強調し、AI関連職の長期的な安定性に疑問を投げかけた。

「テック業界はときおり崩壊する」とグレナンは述べ、「すると突如として、テック系の仕事はなくなるだろう」と付け加えた。

テック界には安定するための「魔法の薬」はない、他の業界と同じように雇用ブームとレイオフを繰り返すからだ、とグレナンは付け加えた。

テック業界は過去2年に大幅な人員削減が行われ、2022年以来、55万人が解雇されたとオンライン調査会社のLayoffs.fyiは伝えている。グーグル(Google)、メタ(Meta)、アマゾン(Amazon)、テスラ(Tesla)などの企業も、幾度となく人員を削減している。

同時に企業は企業は人工知能ブームに向けてリストラを進め、AIに投資している。だが、マイクロソフト(Microsoft)やアマゾンが予想を下回る決算を発表したことで、テクノロジー関連株は下落し、投資家は誇大広告が清算されるのではないかと懸念している。

漠然と業界を追わないようにグレナンは警告し、各自が得意なことを選ぶようアドバイスしている。グレナンはMBA(経営学修士)取得者らに対し、「自分の資質と情熱」を見付けることを強く勧め、それから、AIのトレーニングを受けるように勧めている。そうすることで、選ぶ職種や業界に関係なく「自分の仕事の質と効率を高めることができる」からだ。

テクノロジーを使うことは推奨しているが、グレナンはテック業界が盛り上がっているというだけの理由で、自分の興味を捨ててまでそこに携わるべきではないと考えている。

「『どういう意味で、AI関係の仕事がしたいと言っているのか』を、ぜひ良く考えてほしい。本当にやりたいことではないはずだ」とグレナンは述べた。

「コーディングや、AIモデルの機能の解明になど、情熱を持っているわけではないだろう」

グレナンは、「この発見の素晴らしさ」はAIモデルがどのように機能するか知らなくても、活用することができるという点だと述べている。

マーケティングやオペレーションなど、その他のサービスの仕事の重要性をグレナンは強調した。これらの職種もなお、労働市場で必要とされている。テック・セクターも、こうした仕事に頼って企業を支えているとグレナンは述べた。

「人々は『人気がある新しいことを追いかけよう』と思っている」とグレナンは述べた。

「そうではなく、その人気のある新しいことは、自分が情熱を感じるすべてのことを、さらに良くしてくれるものだ」

「そして、それが最先端でありたいということだ」と彼は付け加えた。