【ドイツ】VDA、再生燃料の拡大要請 EV普及も「供給確保が不可欠」

AI要約

ドイツ自動車工業会(VDA)は、再生可能燃料の生産拡大を政府に要請し、路上に残る内燃エンジン車を低炭素で走らせる燃料供給の重要性を強調している。

VDAはEUの再生可能エネルギー指令の国内法化に向けて、再生可能燃料の目標の厳格化を求め、eフューエルの比率を高めることを提言している。

ドイツ政府の2030年までのEV台数拡大目標に対し、VDAは残るICE車の数を指摘し、低炭素で走らせるためにはバイオ燃料やeフューエルの供給が不可欠と主張している。

 ドイツ自動車工業会(VDA)は20日、バイオ燃料や合成燃料「eフューエル」といった再生可能燃料の生産拡大を促すようドイツ政府に要請した。電気自動車(EV)の普及が進んでも、路上には大量の内燃エンジン(ICE)車が残ることから、これらを低炭素で走らせる燃料の供給確保が不可欠としている。

 VDAはこの日、昨年に成立した欧州連合(EU)の再生可能エネルギー指令の国内法化に向けた政府への提言を発表。その中で、同指令では再生可能燃料の目標が低すぎて、石油産業の再生可能燃料事業への投資が促されないと指摘し、同指令の国内法化に当たっては目標を厳格化するよう求めた。

 再生可能エネルギー指令では、2030年までに再生可能燃料の比率を5.5%、うちeフューエルを1%以上とする目標を掲げるが、VDAはeフューエルの比率を5%に高めることを目指すよう求めている。

 ドイツ政府は、2030年までに国内のEV台数を1,500万台に拡大することを目指しているが、VDAは、この目標が達成されても国内には4,000万台のICE車が残ると指摘。温室効果ガス排出量の削減に向けては、これらの車両を無駄にせず低炭素で走らせることが最良とし、そのためにはバイオ燃料やeフューエルの十分な供給が必要と訴えている。

 EUの再生可能エネルギー指令は、運輸部門のエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの比率を30年までに29%に引き上げ、同部門の温室効果ガス排出量を14.5%削減する目標を掲げる。ロイター通信によると、ドイツはすでに同部門の温室効果ガス削減目標をより厳しい25%減とする方針だが、VDAはこれをさらに35%減とするよう提言している。[EU規制][環境ニュース]