温暖化で「熱帯夜」激増 24億人が2週間多く経験 米研究機関

AI要約

気候研究機関が地球温暖化による影響で熱帯夜の増加を指摘。

WHOが室温の推奨基準に関する注意喚起。

世界人口の約24億人が多くの熱帯夜を経験しており、健康リスクが高まる可能性がある。

 【パリAFP時事】米気候研究機関「クライメート・セントラル」は8日、夜間の最低気温が25度以上の「熱帯夜」が、地球温暖化の影響で大幅に増えたとする研究結果を明らかにした。

 世界保健機関(WHO)は、とりわけ乳児や高齢者、健康に慢性的問題を抱える人について、室温を24度以下にするよう推奨している。

 同機関は2014~23年に観測された熱帯夜の平均日数と、人間の活動による気候変動がないと仮定した場合に見込まれる日数を比較。それによると、世界人口の3分の1に当たる約24億人が少なくとも年平均2週間分、熱帯夜を多く経験していることが分かった。

 中でもカリブ海の島国トリニダード・トバゴでは1年当たり47日、インドのムンバイでは2カ月分、熱帯夜が増えたという。

 ローリエット脳研究所のオブラドビッチ主任研究員は「暑い季節の夜間気温の上昇は、睡眠を妨げ、日中の高温から身体が回復するのを弱める」と指摘。熱帯夜で睡眠の長さや質が低下することで、脳卒中や心臓疾患のリスクを高めると警鐘を鳴らす研究もある。