デヴィ夫人が過ごした優雅な庭園…初代大統領スカルノと愛深めた豪邸を訪ねた

AI要約

デヴィ夫人がかつて暮らしたジャカルタの豪邸は、今は国軍の歴史を伝える軍事博物館となっている。

デヴィ夫人と初代大統領スカルノの愛の物語が織り成す豪邸での短い時間。夫の失脚後も愛とプライドを抱き、再び帰国した。

博物館には美しい庭園と2人が座っていた階段が残り、当時の幸せな時間を偲ぶ。

デヴィ夫人が過ごした優雅な庭園…初代大統領スカルノと愛深めた豪邸を訪ねた

 インドネシアの首都ジャカルタの中心部に、タレントのデヴィ夫人(84)がかつて暮らした場所がある。初代大統領スカルノと愛を深めた豪邸。今は、国軍の歴史を伝える軍事博物館に姿を変えている。

 デヴィ夫人は1940年に東京で生まれ、高級クラブで働いた。スカルノと知り合い、海を渡って62年に結婚、第3夫人となった。一等地をプレゼントされ、64年にバリ風建築の豪邸が完成。建物はデヴィ夫人の弟、根本八曾男さんにちなみ「ヤソオ宮殿」と呼ばれた。

 スカルノは65年9月の軍事クーデターで失脚したため、2人がここで過ごした時間はわずかだったのだろう。デヴィ夫人は夫の元を離れ、フランスへの亡命を迫られたが、80年ごろに再びジャカルタへ戻っている。スカルノは既に死去しており、それでも帰国したのは、夫への尽きぬ愛や元大統領の妻としてのプライドがあったからだろう。

 銃などが並ぶ博物館には、小さな噴水がある緑豊かな庭園が広がる。スタッフに聞くと、2人はかつて階段に並んで座り、よく庭園を眺めていたという。さぞや美しく幸せな時間だっただろうと思いを巡らせる。