路上生活する移民ら「強制排除」 パリ五輪巡り、NGO報告書

AI要約

パリ・オリンピックを巡る社会問題を告発しているNGOの報告書が、パリ首都圏で2500人以上の路上生活者が強制排除されたことを明らかにした。

アフリカや中東からの移民らが川沿いの橋の下で路上生活をしており、Fiveo開幕直前に強制排除が集中的に行われたと報告されている。

報告書は、当局が五輪との関連を否定しつつも実際には「社会浄化」を進めており、フランスの問題を隠そうとしていると非難している。

路上生活する移民ら「強制排除」 パリ五輪巡り、NGO報告書

 パリ・オリンピックを巡る社会問題を告発しているフランスのNGOの連合体「メダルの裏側」は1日、五輪開幕直前の3カ月間にパリ首都圏で2500人以上の路上生活者が強制排除されたとする報告書を発表した。五輪の競技会場付近では、7月26日にあった開会式までの2週間で「集中的に」強制排除が行われたと指摘している。

 パリやその周辺ではアフリカや中東などから密航した移民らが川沿いの橋の下などで路上生活を続けており、当局はたびたび排除を進めてきた。

 報告書によると、今年5~7月は42件の強制排除が行われ、2572人が住み家を追われた。このうち約半数(1315人)は7月に立ち退きを求められた。競技会場付近では大規模な排除作戦が実施され、1000人以上が30日間の期限付きで一時避難所に収容されたという。

 報告書は、当局が五輪との関連を否定しているにもかかわらず、実際は「社会浄化」を進めていると指摘。「世界の目から(フランスの)みじめな部分を組織的に隠している」と批判した。【パリ金子淳】