イスラム組織「ハマス」の最高指導者ハニヤ氏“暗殺” イラン大統領の就任宣誓式に参加のタイミング狙ったか パリ五輪にも影響か

AI要約

ハマス最高指導者がイラン訪問中にイスラエル軍によって殺害されたことが明らかになった。ハマスはこれに反発し、徹底抗戦姿勢を表明している。

イスラエルとハマスの攻防が激化しており、現在は戦闘休止交渉が不透明な状況になっている。

暗殺がオリンピック期間中に起きたことで、世界的な衝撃が走っており、中東地域の緊張が一層高まっている。

イスラム組織「ハマス」の最高指導者ハニヤ氏“暗殺” イラン大統領の就任宣誓式に参加のタイミング狙ったか パリ五輪にも影響か

イスラム組織ハマスは、最高指導者のハニヤ氏がイスラエル軍により殺害されたと発表した。ハニヤ氏はイラン訪問中に殺害され、ハマスはこれに反発して徹底抗戦を表明している。イスラエル側も、引き続き攻撃を継続する意向だ。

イスラム組織ハマスは、最高指導者ハニヤ氏がイスラエル軍によって殺害されたと明らかにした。イスタンブールから、加藤記者が中継する。

加藤崇記者:

ハマスは31日、最高指導者ハニヤ氏がイランのペゼシュキアン大統領の就任宣誓式に出席したあと、首都・テヘランの邸宅にいたところイスラエル軍の攻撃により、死亡したと明らかにしました。

ハニヤ氏は2017年にハマスの最高指導者に就任し、カタールの首都・ドーハを拠点に活動していて、テヘランを訪問していたところでした。この件について、イスラエル軍はこれまでのところ公式のコメントを出していません。

青井実キャスター:

最高指導者が殺害されたことで、今後の休戦交渉などの行方はどうなるのでしょうか?

加藤記者:

ハマス幹部は「ハニヤ氏を暗殺しても、イスラエルの目的は達成されない」との声明を出し、徹底抗戦を続ける考えを示しています。一方、イスラエル側も攻撃を続ける考えです。イスラエル側は、当初から2023年10月のハマスによる奇襲作戦を指示したものに、必ず責任を取らせると言っていて今回、ハニヤ氏を殺害したとみられています。

しかし、ガザ地区の最高指導者ヤヒヤ・シンワル氏はまだ見つけられておらず、イスラエルは引き続きガザ地区への攻撃を続ける考えです。イスラエルとハマスは現在、戦闘休止に向けた交渉を行っていますが、ハニヤ氏の殺害によって合意への見通しは一層、不透明になったといえます。

ここからは、フジテレビ・立石修 解説委員室長が解説する。

青井キャスター:

現在、オリンピックが行われている中で、ハマス最高指導者が暗殺されました。このタイミングをどう見ますか?

立石修解説委員室長:

一義的にはオリンピック期間というよりは、イランの大統領の就任宣誓式にハニヤ氏が参加するタイミングを狙ったと考えられます。殺害前の映像では、ハニヤ氏は多くの人々に囲まれて笑顔なども見せており、厳重な警備の中でも、行動を監視しやすく暗殺しやすいと考えられていて、今回の攻撃が行われたとみられます。

ですが、一時はオリンピック休戦も取り沙汰されている状況の中、虚を突くようなタイミングで今回の暗殺が行われた。それだけに、世界的にも大きな衝撃が走っています。パリにはイスラエルやイランの選手、そしてパレスチナの選手団も現地にいるため、選手たちにも大きなショックが走っているでしょうし、フランス警備当局も、テロに関してアラートを出している、非常に緊張した状態なのではないかと思われます。

青井キャスター:

サッカーの日本代表もイスラエルと戦ったばかりですが、今回は空爆による暗殺との一部報道もありますが、これまでイスラエルは、イランで暗殺を行っているのでしょうか?

立石解説委員室長:

イスラエルはこれまでも様々な方法で、イラン国内にいる軍幹部や核科学者などの数々の暗殺を行ってきました。2020年にイスラエルの情報機関は、AIを搭載した自動小銃を道路に設置して、イラン人の核科学者の車を銃撃して殺害しています。

青井キャスター:

中東は、ますます緊張が高まっていきますね。

立石 解説委員室長:

ハマスの大規模攻撃から300日近く経ち、その間ガザ地区での戦闘が続いていますが、レバノンのヒズボラもイスラエルを攻撃し、これに対してイスラエルも報復攻撃を行っています。ガザ地区の死者数は4万人に迫る勢いになっていて、平和の祭典が行われている中でも、中東では非常に緊張した状態が続いています。

(「イット!」 7月31日放送より)