「もしトラ」→「ほぼトラ」→「?」 バイデン撤退後のアメリカで起こっている「ストレートな会話」とは?【ポートランド現地レポート】

AI要約

米国政治史上前例のない出来事が起こり、バイデン大統領が選挙戦から突如撤退。

ハリス副大統領が後任を推薦され、大統領候補として新たな展開が待ち受ける中、トランプ氏の人気も高まる。

政治的混乱の中、ハリス氏のリーダーシップへの疑問や、米国女性の支持への期待が交錯するなか、大統領選挙の行方は未知数。

「もしトラ」→「ほぼトラ」→「?」 バイデン撤退後のアメリカで起こっている「ストレートな会話」とは?【ポートランド現地レポート】

*この記事は、現地発の情報プラットフォーム「WorldVoice(2023年7月22日付)」の投稿を一部編集して転載しています。

トランプ銃撃事件で揺れた米国、やっと落ち着きを戻した日曜日の午後。新たな速報が流れ、全米中のみならず、世界中が再び揺れ動きました。【山本彌生(米ポートランド在住ブロガー、企画プロジェクト&視察コーディネーション会社PDX COORDINATOR代表)】

「バイデン大統領、選挙戦から撤退!後任はハリス副大統領を推薦。」

大統領候補者が党の任命大会の1か月前、すなわち有権者が投票に向かう数か月前にレースを辞退するという。近代政治において前例のない、まさしく歴史に残る出来事が起こったのです。

即、コメンテーターはトランプ氏に尋ねます。すると、「そもそも、立候補すべきではなかったんだ。静かに地下に留まっているべきだったんだよ。」と皮肉たっぷりのトランプ節。

選挙日まで4か月という時点で、ついに『トランプvsハリス』という構図に変化。それも共和党に風向きが変わった現状下での争いになるとは、誰が想像できたでしょう。

アメリカを牽引するだけの能力がハリス氏にあるのか? とささやかれる中。それでも初の女性大統領、それも非白人女性という期待はガゼン高まります。

一方、銃撃事件を奇跡的に乗り越え、逆に勢いを増したトランプ氏。事件後、力強く拳を突き上げたトランプ氏を英雄視する現象は広がり続けるばかり。

さて、この戦い。大統領選挙の11月迄どのように動いていくのでしょうか。今回は特別版として、劇的な展開が続くアメリカ大統領選挙の今をわかりやすく解説します。

(編集部注:23日に発表されたロイター/イプソスの世論調査で、ハリスの支持率[44%]がトランプ[42%]を2ポイント上回ったことが分かった)

突如、X(元ツイッター)を通して公式文書で発表されたバイデン大統領の撤退表明。

実は、ホワイトハウスの高官に連絡が入ったのが、なんと表明1分前だったというから驚きです。

大統領本選挙日まで、わずか4か月!この時点で、ホワイトハウス座争いが大変換。

しかしハリス氏は、8月の民主党大会で『過半数の党代議員』から賛成票を得る必要があります。そこで初めて、民主党代表として大統領候補になれるのです。

そんな事情もあってか、全米メディアはバイデン氏はすでに過去の人扱い。撤退発表の当日から、先を読むことに夢中です。

「ハリス氏は正式大統領候補に任命されるのか。対抗馬は出てくるのか ⁈ 」

「任命後、トランプ氏との討論で打ち負かす気力・体力・能力があるのか ⁈ 」

「誰を副大統領候補に任命するのか ⁈ 」

主要政党の大統領候補で初の有色人種の女性として歴史をつくるチャンスを得た...というか、前例のない政治的大混乱に巻き込まれているバタバタ感は否めません。

バイデン撤退が決まった時から突如、有色人種と女性から強い支持あり!という民主党内の声が全米メディアを通して聞こえてきます。

しかし、バイデン政権一年目から、それも女性リーダーからの評価は決して高くなかったハリス氏。バイデンのお飾り、伴走者、リーダー能力の欠陥。そんな過去の歩みから、大国をまとめ上げる力は無いという批評が多いのも事実です。

米国女性が選ぶ『大統領になってほしい女性』No.1は、ミッシェル・オバマ。元ファーストレディーが応援に駆け付ければ勝利に近づくのでは。そんな複雑な声も聞かれる今。

「女性初の大統領になるかもしれないハリス氏に投票するか?」というストレートな会話が、すでに町のあちらこちらから起こっています。