「ラストベルト」の白人象徴 副大統領候補のバンス氏 米大統領選

AI要約

ミドルタウン生まれのJ・D・バンス氏は、繁栄から取り残された白人労働者階級の象徴であり、トランプ氏支持の原動力となった存在。

自伝「ヒルビリー・エレジー」の著者であり、上院議員として政治の舞台に立ち、労働者階級とエリート層の双方にアピールする強みを持つ。

バンス氏はロシアのウクライナ侵攻に反対するなど保守強硬派としての一面も持ち合わせる。

 米国の繁栄から取り残された「ラストベルト(さび付いた工業地帯)」の白人労働者階級。

 そのすさんだ暮らしをつづった自伝「ヒルビリー・エレジー」を2016年に出版し、一躍ベストセラー作家となった。16年大統領選でトランプ前大統領勝利の原動力となった「怒れる白人」の象徴的な存在だ。

 中西部オハイオ州ミドルタウン生まれ。本名はジェームズ・デービッド・バンスだが、広く「J・D・バンス」と呼ばれる。高校卒業後、海兵隊に入隊してイラク戦争に従事。その後オハイオ州立大を卒業、エール大法科大学院を修了した。西部カリフォルニア州でベンチャー投資会社の経営者も務めた。

 かつてはトランプ氏に批判的だったが、その後支持に転向した。トランプ氏の支援を受けて上院選に勝利し2023年に上院議員に就任したばかりで、政治経験は乏しい。

 労働者階級層と高学歴エリート層の双方にアピールできる歯切れの良い弁舌が強み。ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援に反対するなど、共和党保守強硬派の一人として知られてきた。

 

 ◇J・D・バンス氏

 J・D・バンス氏 84年8月2日、中西部オハイオ州ミドルタウン生まれ。オハイオ州立大卒、エール大法科大学院修了。16年に自伝「ヒルビリー・エレジー」を出版し、ベストセラー作家に。23年から上院議員。インド系のウーシャ夫人との間に子供3人。