フランス極右政党の勢いなお ルペン氏「勝利は延期されただけ」 下院選で議席大幅増

AI要約

フランス国民議会選挙で極右政党の国民連合が議席を大幅に増やし、第1勢力にはなれなかったものの勢いは衰えていない。

国民連合は左派連合や与党連合の選挙協力に阻まれながらも、得票率で1位になり、議席を約90から大幅に増やした。

国民連合は元「国民戦線」として知られ、マリーヌ・ルペン氏を党首に迎えてイメージを刷新し、幅広い支持を得ている。

フランス極右政党の勢いなお ルペン氏「勝利は延期されただけ」 下院選で議席大幅増

【パリ=板東和正】7日に投開票が行われたフランス国民議会(下院)選の決選投票で、極右政党「国民連合」(RN)は議席を大幅に増加させた。各党による「極右包囲網」で第1勢力への躍進を阻まれたが、その勢いは衰えたとはいえない。

RNのバルデラ党首は決選投票の結果を受け、RNの第1勢力獲得が実現しなかったのは、与党連合と左派連合の選挙協力が要因だとし、「不名誉な同盟だ」と非難した。

仏紙ルモンドが報じた暫定結果によると、RNは共闘勢力を含め143議席を獲得し、改選前の約90議席から大幅に議席を増やした。仏紙フィガロによると、得票率は約36%で、最大勢力となった左派連合「新人民戦線」(約25%)とマクロン大統領の与党連合(約21%)を上回り、第1回投票に続いて最大となった。

RNは1972年に創設された「国民戦線」を前身とする。初代党首は、RNを事実上率いるマリーヌ・ルペン前党首の父で、「ユダヤ人虐殺は歴史のささいな出来事」と反ユダヤ主義発言を繰り返し、「人種差別主義者」と非難された。

ただ、マリーヌ・ルペン氏が党首に就任後、イメージ刷新を図るために父を党指導部から追放。ルペン氏は党の主張も穏健化させ、RNへの有権者の忌避感を和らげた。ルペン氏の後継として党首に就いたバルデラ氏は交流サイト(SNS)を駆使し、幅広い層の支持を獲得した。

フランスでは2027年に次期大統領選が予定されている。ルペン氏は「私たちの勝利の時は延期されただけだ」と強調している。