「推定で国民の13.6%」 韓国政府が「境界知能者」実態調査を初実施、社会的自立を支援へ

AI要約

韓国政府が、知能指数(IQ)71-84に属する「境界線知能人(境界知能者)」についての初の実態調査を実施し、支援案を整備することとした。

 境界知能者向けに学業相談、職業訓練などを行い、社会で自立できるように支援する。

 境界知能の人は認知能力や社会性が不足し、知的障害には該当しない。

 教育部は3日、保健福祉部・女性家族部など関係部処と共に「境界線知能人支援方案」を発表した。

 全国民の約13.6%が境界知能と推定され、実態調査を行う計画。

 保護者用の検査キットも開発され、早期識別を目指す。

 境界知能者に対する支援システム整備や成人後の職業訓練、社会関係支援も行われる。

「推定で国民の13.6%」 韓国政府が「境界知能者」実態調査を初実施、社会的自立を支援へ

 韓国政府が、知能指数(IQ)71-84に属する「境界線知能人(境界知能者)」についての初の実態調査を実施し、支援案を整備することとした。境界知能者向けに学業相談、職業訓練などを行い、社会で自立できるように支援するというものだ。

 教育部(省に相当。以下同じ)は3日、保健福祉部・女性家族部など関係部処(省庁に相当)と共にこうした内容を含む「境界線知能人支援方案」を発表した。

 境界知能の人は認知能力や社会性が不足し、学校や職場での生活において困難に直面しているが、知的障害(IQ70以下)には該当せず、政府の支援はほとんど受けていない。韓国政府は、全国民の約13.6%が境界知能と推定している。

 韓国政府はまず、今年12月までに、全国的に境界知能の人がどれくらいいるのかを調べるため、全年齢対象の標本調査を実施する。今月中に研究機関を定めて調査方法・時期・対象などを決める。この調査で境界知能と判断されたら、実態調査を行う計画だ。境界知能の人が学校や家庭、職場などでどのように過ごしているのかを調べ、支援政策を作るのだ。

 境界知能を早期に把握できるように、保護者用の検査キットも開発する。教育部は現在、小1・4、中1、高1の児童・生徒を対象に「情緒健康」検査を実施しているが、ここに保護者が子どもの状態について回答する境界知能検査を追加する予定だ。全ての児童・生徒について義務的に検査を行うものではない。保護者が申請する場合にのみ検査を行う。この検査は来年までに開発し、2026年から使用する予定だ。

 境界知能者に対するライフサイクル別の支援システムも整備する。全国の家族センター(212カ所)と育児総合支援センター(134カ所)では、境界知能の子を持つ保護者の子どもの養育に関する相談を受け付ける予定だ。境界知能の児童を対象とする言語治療や心理治療も支援する。学校に入学したら、教育庁から心理相談を提供し、基礎学力を備えることができるように勉強を支援する。さらに、全ての教師が境界知能の児童・生徒の特性と指導法について研修を受けるようにする予定だ。

 成人になった境界知能者には、職業訓練を中心として支援を行う。韓国ポリテク大学・韓国障害人雇用公団などの機関で、境界知能を対象とする職業訓練課程を新たに開発することとした。訓練を受けたら、仕事の紹介も行う。地域別の生涯教育院と大学では境界知能の青年が集まるサークルや小規模な会を作り、境界知能者が社会関係を維持できるように支援する。

ユン・サンジン記者