精彩欠いたバイデン大統領「居眠りしそうになった」…民主党内で公然と撤退求める声

AI要約

米大統領選で再選を目指すバイデン大統領に撤退を求める声が党内から出始めている。外遊のせいで精彩を欠いたと釈明しつつも、世論調査ではバイデン氏に対する期待が低下。

連邦議会議員からも撤退要求が出始め、民主党支持者の大半が他の候補を支持すべきと考えている。バイデン氏の不安定な挙動や言葉に詰まる様子が不安視されている。

今後も不安定な様子が見受けられれば、下院議員らがバイデン氏に撤退を求める準備を進めている。大統領選の日程に合わせた議員選挙において、民主党は不人気なバイデン氏との戦いを避けたい意向。

 【ワシントン=池田慶太】11月の米大統領選で再選を目指す民主党のジョー・バイデン大統領(81)に選挙戦からの撤退を公然と求める声が党内から出始めた。先のテレビ討論会で精彩を欠いたことについてバイデン氏は直前の外遊のせいだと釈明しているものの、バイデン氏の撤退が望ましいとする世論調査結果が相次いでいる。

 「我々は、最も有力な候補者を選ばなければならない。国民はバイデン大統領ではないと言っている」

 民主党のロイド・ドゲット下院議員(テキサス州選出)は2日、米紙ニューヨーク・タイムズの取材にこう語り、現職の連邦議会議員では初めてバイデン氏に撤退要求を突きつけた。

 米CNNが2日に発表した世論調査結果によると、「バイデン氏以外の人物」を候補に選んだほうが民主党が大統領選で勝てる可能性が高いと信じる人は75%に上った。民主党支持層に限っても56%が「バイデン氏以外の人物」のほうが勝てると回答。「大統領選から撤退すべきだ」が7割を超えた調査結果もあり、有権者の間でバイデン氏への期待は急速にしぼんでいる。

 6月27日のテレビ討論で、バイデン氏は何度も言葉に詰まり、共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)の主張に切り返せないなど不安定な挙動が目立った。次の4年の任期を全うできないのではないかとの不安が一気に広まった。

 ロイター通信によると、バイデン氏が再び不安定な様子を見せた場合、民主党の下院議員25人が撤退を要求する準備をしているという。大統領選の日程に合わせて実施される上下両院の議員選挙は民主、共和両党の接戦が予想され、不人気のバイデン氏とともに戦いたくない本音もちらつく。

 バイデン氏は今月2日、バージニア州で開かれた選挙資金集めのイベントで討論会に触れ、直前の外遊の疲れなどで「ステージ上で居眠りしそうになった」と述べた。討論会での失態は高齢や認知力低下によるものではなく、6月上旬にフランス、同中旬にイタリアを訪れた強行日程が原因だと主張し、不安解消を図った。