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ミャンマーで「賃金を上げた雇用主が逮捕」された理不尽すぎる理由
2021年にクーデターが起こり、軍がミャンマーの政権を握ってから4年が経過している。 従業員の賃金を引き上げることを決意した携帯電話ショップ経営者が逮捕されるなど、国内は混乱と苦難に満ちている。
軍事政権は疑わしい理由で経営者を逮捕し、市民にとって生活がますます困難になっている。さらに食料価格の高騰や電力不足などの問題が深刻化している。
ミャンマーでは貧困率が急上昇し、人々の生活が脅かされている。現在の状況は過去10年間で最も困難なものとなっている。
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2021年にクーデターが起こり、軍がミャンマーの政権を握ってから今年で4年。民主化と共に発展していた体制は覆され、同国はいま、悲惨な経済状況に陥っている。
そんななか、マンダレーで3店舗の携帯電話ショップを経営するオーナーが、従業員の賃金を引き上げることを決意した。この知らせはフェイスブックを通してすぐに広まり、従業員たちは喜んだという。
ところが、ミャンマーを統治する軍事政権はこれを喜ばなかった。米紙「ニューヨーク・タイムズ」は次のように報じている。
「兵士と警察官は、オーナーのピャエ・ピョー・ゾーを逮捕し、店を3軒とも閉鎖させた。……そして『公共の不安を煽った罪』で起訴した」
同紙によると、ミャンマーではここ数週間で少なくとも10人の経営者が逮捕されている。賃金引き上げは違法ではないが、経営者らは「インフレが進んでいると人々に信じ込ませ、政権を弱体化させた罪」で起訴されているという。
この理不尽な「罪」により、逮捕された人々は3年の懲役刑を言い渡されている。
「賃金が上がってとてもありがたかったのですが、いまは店が閉まって給料がもらえません」と、携帯電話ショップで働いていた従業員は同紙に語る。「私たち一般人は、物価高騰に絶望的に苦しんでいます」
ミャンマーの軍事政権は、少数民族の反乱軍や民主化運動家から強い反発を受けている。軍と反対勢力の激しい戦いは続いており、それによって生活を脅かされているのは市民だ。ニューヨーク・タイムズは次のように報じている。
「反乱軍と戦うなか、軍はミャンマー北部の米どころであるシュエボーの村や田んぼを焼き払い、作物をめちゃくちゃにし、食料価格の高騰を招いた。一方で反乱軍は、主要な国境検問所を占拠し、中国、インド、タイとの貿易を妨害している」
「首都ネピドーを除く全国で、電気が利用できるのは1日4時間未満が普通だ。製造業は停滞し、気温が37度に達することが多い場所では悲惨な光景が広がっている」
同紙によれば、5月にはマンダレーとマグウェの地域で、少なくとも250人が熱中症で亡くなった。
さらに、ミャンマーではここ10年近く見られなかったレベルまで貧困率が急上昇していることを、世界銀行が発表している。人口の3分の1が現在、貧困ライン以下の生活を送っている状態だ。