死亡率50%「ネクストパンデミック懸念…韓国型ワクチンに1兆ウォン投資」

AI要約

次のパンデミックの有力候補であるインフルエンザウイルスについての懸念が高まっている。特に高病原性のH5N1亜型が注目されており、致命率が上昇する可能性が指摘されている。

感染が拡大すると、人口の約41.8%まで感染が広がると想定され、重症患者数も予測されている。インフルエンザ大流行に備えた対応計画が整備されている。

新型コロナワクチンの開発成功に続き、2028年までにインフルエンザ対応のmRNAワクチンを確保する計画が立てられている。さらに、初期対応のための備蓄や設備の拡充も進められている。

死亡率50%「ネクストパンデミック懸念…韓国型ワクチンに1兆ウォン投資」

ネクストパンデミック(大流行)の可能性が最も高い有力候補にインフルエンザウイルスが挙げられる。このウイルスは毎年遺伝子の一部が変形して季節性インフルエンザを起こす。それぞれ異なるウイルス遺伝子が組変わりながら新しいウイルスに変異した場合、スペインかぜ(1918年)、アジアかぜ(1957年)、香港かぜ(1968年)、新型インフルエンザ(2009年)のように数百万から数億人の犠牲者を出した。

特にA型インフルエンザの下位種の高病原性H5N1が最近いくつかの変異を速いペースで起こし、新種感染病に進化する可能性が最も高いというのが、国内外の専門家らの共通した意見だ。最近、ロバート・レッドフィールド元米疾病対策センター(CDC)所長が「このウイルスの大流行は時間の問題」とし、新型コロナと比較するために出した死亡率を25-50%として懸念を強めた。新型コロナ致命率は事態の初期には1%を超えたが、最近は0.03%程度で季節性インフルエンザ水準に低まった状態だ。

本来、このウイルスは鶏やカモなどに主に伝播したが、最近はネコ・ウシ・ブタなど哺乳類まで感染させ、ヒトの間の感染リスクを高めている。米メディアによると、最近、米国では12州90カ所以上の農場のウシでH5N1感染が発生したのに続き、ウシからヒトにウイルスが初めて伝播した事例も3件出てきた。より多くの哺乳類の種を感染させるほどヒトにも危険な病原体に進化する可能性が高まると、専門家らは話す。

疾病管理庁は最近このウイルスが大流行を起こす場合、最悪の状況で10カ月(300日)間に最大で人口の41.8%を感染(最小16.5%)させるというシナリオを出した。伝播率をRO(感染者1人が他の人を感染させる平均数)1.5、ウイルスの重症度を2%として仮定した数値だ。流行のピークまで約4カ月(111日)かかり、重症患者は28万8000人発生すると予想した。

こうした予測に基づいてインフルエンザ大流行に対応計画改正案を公開した。この計画は2006年に作成された後、2011年と2018年に2回改正された。

保健当局は新型コロナ当時のような流行の規模と重症・死亡などの被害を最小化するという目標の下、対応レベルで4大分野(監視・資源・ワクチン・ワンヘルス) 14大課題を用意した。ワンヘルスとは人・動物・環境の健康を一つと見て対応することだ。初期には3T(Test、Trace、Treat、テスト、追跡、治療)を基盤に伝播を最小化し、拡大時にワクチンや治療などで重症と死亡の予防に集中し、最後には被害規模に基づく復旧計画を出すという3段階の対応を立てた。

核心は1兆ウォン(約1100億円)近い投資で韓国型メッセンジャーリボ核酸(mRNA)ワクチンを2028年までに確保することだ。新型コロナとは違い、インフルエンザは抗ウイルス剤もワクチンもあるという点が希望だが、従来の有精卵培養と細胞培養のワクチン生産方式では少なくとも3、4カ月かかり、迅速な対応が難しいからだ。mRNAワクチンは製造期間が短く大量生産が容易で、ウイルスの遺伝情報さえ分かれば迅速に抗原を変えて設計、生産できるというメリットがある。

新型コロナ当時も米国のファイザーとモデルナが事態から10カ月後に超高速でmRNA基盤の新型コロナワクチンを開発し、新型コロナ対応に大きな反転を用意した。当時、米国を除いた国は独自の生産が難しく、海外製薬会社に巨額の資金を投入しながらも需給の不安定に苦しんだ。

疾病管理庁のソン・ヨンレ感染病危機管理局長は「インフルエンザが拡大した場合の被害の程度を決める最も重要な変数になるはず」とし「流行発生時に従来のワクチンの菌株を変更したりプロトタイプ(試作品)を活用したりして100日以内に開発し、すでに開発された亜型と全く違う類型であっても200日以内に生産できるだろう」と話した。

イ・ジョンミン疾病管理庁ワクチン開発チーム長は「日本では3つの製薬会社に9300億ウォン規模を投資をして臨床第3相まで支援し、うち6500億ウォンを投資した製薬会社の第一三共が新型コロナmRNAワクチン開発に成功した」とし「正確な規模はまだ決まっていないが、我々も少なくともこの程度の投資をするべきという考えで臨床まで終える予算を確保しようとしている」と述べた。

続いて「後発走者であっても我々は製造に強みがあるため、また輸入に依存することがないよう開発に取り組む」とし「mRNA関連の自給化の中の核心技術を結びつけ、臨床を経て品目許可まで受けられるよう大規模な支援をする」と話した。

これとは別にパンデミック初期の初動対応のための分量として、すでに開発されたワクチン7万5000人分も備蓄する。迅速に確認する検査法を開発し、呼吸器感染病標本監視機関を現在の300カ所から27年には1000カ所にまで増やす。全国民の25%水準の抗ウイルス剤、6カ月程度は対応可能な保護服やマスクなど防疫物資などを備える。感染病専門病院(871病床)と専門病院小児専門医(小児科24、小児感染9人)を拡充する。

20日に開かれた関連シンポジウムで翰林大江南聖心病院のイ・ジェガプ感染内科教授は「接種戦略で死者を減らすには高齢層と高危険群を、流行規模を減らすには若者と医療従事者がまず接種しなければいけない」とし「新型コロナ当時、一日最大100万人まで接種したが、ワクチン接種センターと国家予防接種医療機関を積極的に活用し、医療スタッフの教育もする必要がある」と提言した。オム・ジュンシク感染内科教授は「インフルエンザは2歳未満の子どもで問題になることがあるというのが新型コロナと異なる点」とし「新型コロナ当時にはそれほど注意しなかった小児に対する対応を追加しなければいけない」と述べた。