海兵隊員殉職事件「捜査に言及するな」国防部会議前後、大統領室から何度も電話

AI要約

大統領室と国防部の関与が疑われる海兵隊員C上等兵の殉職事件について、通話記録から新たな証拠が浮上。

国防部会議で出席者たちとの電話やメモから、大統領室からの影響を疑う声が高まる。

関係者の供述が食い違う中、容疑者の除外指示の真相を明らかにするために捜査が求められている。

 「(海兵隊員)C上等兵の殉職事件の容疑者を特定するな」という指示が初めて確認された国防部の会議でも、大統領室の関与が疑われる通話記録があったことが明らかになった。イ・ジョンソプ国防部長官(以下、役職はすべて当時)は「VIP(大統領)激怒説」が浮上した昨年7月31日午後1時30分頃、懸案会議を開いたが、会議前後に大統領室国家安保室のイム・ギフン国防秘書官が会議出席者たちと数回電話で話した事実が確認されたのだ。

 会議に出席したチョン・ジョンボム海兵隊副司令官は、イ長官の指示などをメモしたが、このメモには「誰々の捜査(について)、言動してはならない」、「法的検討の結果、人に対する措置や容疑は(あっては)ならない」、「警察が必要とする捜査資料だけ渡せば良い」など、10種類の内容が書かれていた。

 昨年7月31日にイ・ジョンソプ長官の主宰で開かれた国防部の懸案会議には、パク・チンヒ国防部軍事補佐官、ユ・ジェウン法務管理官、チョン・ハギュ報道官、ホ・テグン政策室長ら5人が出席した。チョン・ジョンボム副司令官は1時間余り遅れた午後2時20分頃、会議に合流した。

 20日にハンギョレが確保したイム・ギフン秘書官の通信記録によると、イム秘書官は午後12時46分頃にパク補佐官に電話しており、会議が開かれる6分前にはパク補佐官がイム秘書官に電話して3分43秒間にわたり話した。この通話後、パク補佐官はユ管理官に電話し、その後会議が始まった。

 同日の会議に出席したチョン・ハギュ報道官も、チョン・ジョンボム副司令官が到着した後の午後2時20分頃、イム秘書官と1分ほど電話で話した。会議が終わった後も、イム秘書官はイ長官、パク補佐官、チョン報道官とさらに通話を重ねた。

 このような状況を理由に、パク・チョンフン前海兵隊捜査団長(大佐)側は、チョン副司令官がメモした10件の指示は、大統領室の判断が国防部を経て海兵隊に伝わったものだと疑っている。メモには法律検討と関連した内容が含まれているが、会議出席者の中で唯一弁護士資格を持っているユ管理官は、この日の懸案会議で初めてC上等兵殉職事件の処理に関する話を聞いたという。このため、大統領室の法律的検討がイム秘書官を通じてこの会議に伝えられたのではないかという疑念が出てくる。

 会議で誰があのような指示をしたのか、関係者たちの供述は食い違っている。チョン副司令官は軍検察の調査で、メモの内容はイ長官の指示についてだったと述べたが、その後の調査では、ユ管理官の発言だったと前言を翻した。一方、ユ管理官は昨年、軍検察の調査で「長官が副司令官に何らかの指示をするのにあたり、法的な助言をしたことはない」と陳述したが、今年5月には「私の説明を長官の言葉で説明したものだと理解している」と述べた。このため、C上等兵特検法聴聞会と高位公職者犯罪公捜処の捜査を通じて、誰が国防部に容疑者の除外を指示したのかを糾明すべきだと提起されている。

オ・ヨンソ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )