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「ペットボトル禁止」のパリ五輪 「最もサステナブルな」大会に…東京五輪からの変化は?
パリオリンピック・パラリンピックは、サステナビリティに焦点を当てた大会として開催される。炭素排出量の削減や再生可能エネルギーの活用、プラスチック廃棄物対策など、様々な取り組みが行われる。
競技施設は再生可能素材を活用し、エネルギーの効率的な使用を追求する。選手村や競技会場の建設においても環境配慮が行われ、廃棄物削減に努める。
観客向けにも環境への配慮が行われ、ペットボトル持ち込み規制や再利用可能な飲料提供などが実施される。環境問題への意識向上を促す大会となる。
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7月26日に幕を開けるパリオリンピック・パラリンピック。今回は、これまでの大会の中で「最もサステナブル(持続可能)な大会」の実現を目指している。
国際的な温暖化対策の目標を定めた「パリ協定」採択の地で開催されるオリンピックとして、掲げる目標は炭素排出量をロンドン大会(2012年)、リオデジャネイロ大会(2016年)の半分に削減し、大会期間中は100%再生可能エネルギーを使用するなど、徹底して「脱炭素」に取り組む。
選手村も環境に配慮した作りとなっており、建物には木材を多く使用し、使用電力はすべて再生可能エネルギーで賄う。バスターミナルの屋根にも太陽光パネルが設置され、ベッドは東京大会で採用されたダンボールベッドが引き続き使用される。
競技会場についても、東京大会では7つの施設が新設され「大会後の後利用が不十分ではないか」という批判があったが、パリ大会では95%が既存または仮設のものとなる。
パリ市内で唯一新設された競技会場「アディダスアリーナ」は、客席がすべてリサイクルされたプラスチックで作られ、雨水を施設内で再利用し、冷暖房の100%を再生可能エネルギーと廃熱でまかなう。
これらの取り組みについて、東海大学 体育学部 大津克哉准教授は「これまでの大会と比べてもサステナビリティに関する取り組みには相当本腰を入れていると言える。今後のオリンピック大会の開催のあり方を定めるモデルとなる大会になるのでは」と評価する。
プラスチックごみの問題についても対策を進める予定で、パリ市のイダルゴ市長は「毎年、1万4000頭の哺乳類と140万羽の海鳥がプラスチックごみの摂取によって殺されている。パリオリンピックを使い捨てプラスチックのない史上初の大会にする」と述べ、観客にペットボトルの持ち込みを認めない意向を表明した。
大津准教授はこの規制の狙いは一過性のものではないと指摘する。
「プラスチックの規制の目的は、単にプラスチックを使用しないということではなく、日頃使用されている物の素材ごとの処理方法を消費者が正しく理解することにある。使用後は分別して捨てたり、丁寧に洗ってリサイクルに出すなど、循環を意識したごみ処理を徹底することで、廃棄物や温室効果ガスの削減に繋がり、環境問題に対して有効なアクションになる」
ペットボトル持ち込み禁止のため、観客はマイボトルを持って給水所を利用することになり、大会の公式スポンサー、コカ・コーラ社は再利用可能なカップやガラス瓶、700基のドリンクファウンテンを設置し飲料を提供する予定だ。
世界中が熱狂するスポーツイベントであるオリンピック。今後も深刻化する環境問題への対応が求められている。
「スポーツ施設の建設に伴う環境破壊や、大規模なスポーツ大会での大量のエネルギー消費や廃棄物生成など、スポーツが環境に与える影響は加害者的な側面もある。オリンピックでは勝敗やメダルの数に目が奪われがちだが、環境に対してどのような取り組みや対策がされているのか、といった点にも注目してほしい。オリンピック開催のための開発と環境保全をどのように両立させるかを考えていく必要がある」(大津准教授)
(『ABEMAヒルズ』より)