金正恩・プーチン、24年ぶりに朝ロ関係を格上げ

AI要約

プーチン大統領が24年ぶりに平壌を訪れ、北朝鮮との包括的戦略パートナー関係協定の締結を指示した。

プーチン大統領は寄稿文でロシアと北朝鮮の連帯を強調し、米国の経済的圧力に対抗する意向を示した。

プーチン大統領と金正恩国務委員長の会談で、軍事協力や自主的な貿易・決済システムの構築などが議論される予定。

金正恩・プーチン、24年ぶりに朝ロ関係を格上げ

ロシアのプーチン大統領が24年ぶりに平壌(ピョンヤン)を訪れて、19日朝ロ首脳会談に臨む。首脳外交のうち形式が最も高い国賓訪問で、昨年9月ロシア極東のボストチヌイ宇宙基地で首脳会談を行って以来、7カ月ぶりだ。

プーチン大統領はこれに先立って、18日に北朝鮮との包括的戦略パートナー関係協定の締結を指示した。

ロシア法律ウェブサイトに発表された大統領令文書によると、「ロシアと北朝鮮の包括的パートナー関係協定を締結しようというロシア外務省の提案を受諾する」と明らかにした。これに伴い、プーチン大統領と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は19日まで予定された訪朝期間中にこの協定に署名することが予想される。

クレムリン宮のユーリ・ウシャコフ補佐官も17日(現地時間)、「この協定が署名されれば、これは既に締結された基本文書を代替する」と明らかにした。2000年プーチン大統領の初訪朝当時に結んだ「朝ロ親善、善隣および協力に関する条約」に代わるものになると見られる。ロシアは現在、韓国とは一段階低い「戦略的協力パートナー関係」を結んでいる。

この条約の第2条には、相互安全保障に関連し、「双方のうち1カ所に侵略される危機が生じた場合、または平和と安定を脅かす状況が生じた場合、そして協議と協力が避けられない場合、双方は直ちに接触する」とだけ規定されている。北朝鮮は、1961年7月に締結したもののソ連解体以降の1996年に公式破棄された「朝ソ友好協力および相互援助条約」水準の有事時の軍事的自動介入条項の復活を望んでいることが分かり、新たな条約の内容に関心が集まっている。

この日、プーチン大統領は到着に先立ち、北朝鮮労働新聞1面に寄稿文を載せた。2019年習近平国家主席が訪朝直前に労働新聞に寄稿したことと同じ方式だ。

プーチン大統領は「ロシアと朝鮮民主主義人民共和国:連帯を継続する親善と協力の伝統」と題する寄稿文で「西側の統制を受けない貿易および相互決済体系を発展させて一方的な非合法的制限措置に共同で反対していく」と明らかにした。ウクライナ戦争と核・ミサイル開発でそれぞれ国際社会の金融制裁を受けているロシアと北朝鮮が米国中心の国際金融システムとドル貨幣の影響を受けない自体貿易・決済システムを備えようという意味に解釈される。韓国国民大のアンドレイ・ランコフ教授は「米国主導の貿易秩序を無視する空間を作って、これをブロック化するという意味」と解釈した。

◇プーチン大統領、金委員長を「同志」と呼んで血盟強調

プーチン大統領はまた、「朝鮮(北朝鮮)の友は数十年間続く米国の経済的圧力と挑発、恐喝と軍事的脅威にもかかわらず、非常に効果的に自分たちの利益を守っていっている」としながら「ロシアは昨日も、明日も朝鮮人民を支持する」と強調した。

特にプーチン大統領は金委員長を「タワリシチ(tovarisch、共産党「同志」)」と呼び、北朝鮮との歴史的関係を詳細に言及した。「ソ連は世界で初めて朝鮮民主主義人民共和国を国家と認め、1950~53年6・25戦争(朝鮮戦争)で朝鮮人民の闘争を支持した」としながらだ。韓国統一研究院のヒョン・ソンス研究委員は「金委員長を同志と呼んで過去の血盟関係を強調したのは、ロシアが両国関係をこの水準まで引き上げたいという意味」と分析した。

労働新聞はこの日の社説で「朝鮮民主主義人民共和国とロシアの根の深い親善と協力関係が新たな全盛期を迎えている」とし「プーチン大統領の訪朝は、両国の善隣友好関係を新たに高い関係に発展させるにあたり大きな意義を持つ」と強調した。プーチン大統領は19日に訪朝の主な日程を消化する予定だ。ウシャコフ補佐官によると、公式歓迎式、拡大および非公式首脳会談、文書署名式および言論発表をする予定だ。「両首脳が散歩や茶道を兼ねた一対一非公式会談で『最も重要で敏感な問題』を議論する予定」と説明した。「重要で敏感な問題」には朝ロ間の軍事協力が含まれると予想される。

この日、平壌(ピョンヤン)市内はプーチン大統領の訪朝を歓迎する様子が各地でとらえられた。順安(スンアン)空港の建物外壁には「朝ロ親善よ、永遠たれ」などの歓迎バナーが掲げられ、その近くにはロシアの国旗とプーチン大統領の顔が描かれた懸垂幕が壁面いっぱいに掲げられた。プーチン大統領は19日、ベトナムに発つ。