タイ検察、タクシン元首相を不敬罪で起訴 与党に揺さぶりか

AI要約

タイ検察は18日、王室への不敬罪でタクシン元首相を起訴。タクシン氏は王室を侮辱したとされるが、無罪を主張。

タイでは王室への批判や侮辱はタブーであり、不敬罪は最大で15年の禁錮刑が科される。今回の起訴は保守派からの揺さぶりとみられる。

タクシン氏は15年ぶりに帰国し、政治活動に積極的だったが、保守派の反発が強まっていた。不敬罪改正を訴えた前進党は解党処分の審議を受けている。

タイ検察、タクシン元首相を不敬罪で起訴 与党に揺さぶりか

 タイ検察は18日、王室への不敬罪などでタクシン元首相(74)を起訴した。地元メディアによると、タクシン氏は2015年に韓国でインタビューを受けた際、14年の軍事クーデターに関連して、王室を侮辱する発言をしたとされる。タクシン氏は無罪を主張している。

 タイでは王室への批判や侮辱はタブーとされ、不敬罪で有罪となれば1件につき最大で15年の禁錮刑が科される。今回の起訴は、タクシン氏や近い関係にある与党「タイ貢献党」に対する保守派からの揺さぶりだという見方もある。

 タクシン氏は06年のクーデターで失脚して事実上の亡命生活を送っていたが、23年8月に15年ぶりに帰国。汚職の罪などで実刑判決を受けたものの、高齢などを理由に今年2月に仮釈放された。この間も海外要人と面会するなど政治活動に積極的で、かつての政敵でもある保守派の反発が強まっていた。

 一方、不敬罪を巡っては、革新系の最大野党「前進党」が不敬罪改正を選挙公約に掲げたことが違憲と判断され、憲法裁判所が解党処分の審議を行っている。【バンコク武内彩】