「中国経済は持続不可能」米テキサスA&M大のノリス准教授、輸出主導の限界指摘

AI要約

米テキサスA&M大学ブッシュ行政・公共サービス大学院のウィリアム・ノリス准教授は、中国経済の輸出主導モデルの持続可能性に疑問を投げかけた。

ノリス氏は高齢化や地方債務の増加、エネルギー需要などの諸課題を指摘し、中国が国内消費主導の成長モデルへの移行が注目されると述べた。

この記事では、中国の経済戦略の転換と経済的威圧についても言及されている。

「中国経済は持続不可能」米テキサスA&M大のノリス准教授、輸出主導の限界指摘

中国研究が専門の米テキサスA&M大学ブッシュ行政・公共サービス大学院のウィリアム・ノリス准教授は14日、東京都内で開かれたシンポジウムで、現在の輸出主導の中国経済について、「持続可能ではない」との考えを示した。

ノリス氏は中国経済の現状について、高齢化や地方債務の増加、インフレ圧力、エネルギー需要、若者の失業問題などの課題が山積し、「逆風に直面している」と指摘した。その上で、「中国が輸出主導の成長モデルから国内消費主導の成長モデルへの移行を成功させるかどうかに注目している」と語った。

ノリス氏は、中国は1978年の改革開放政策への転換以降、約30年にわたり、「国際経済システムに関与し、その中に組み入れられることを望んだ」と強調。「だからこそ中国は豊かになり、国家として成長を遂げた」と分析した。ところが、リーマンショックが起きた2008年頃から「戦略を転換した」と指摘。貿易の制限などで他国の政策に圧力をかける「経済的威圧」を続ける手法を念頭に、「中国は経済力を自国の経済発展とは直接関係のない目的や目標、利益に対して利用できるようになっている」と警鐘を鳴らした。(岡田美月)