ハマス、バイデン大統領の停戦案に「終戦前提」固執…あせる米国

AI要約

パレスチナのイスラム組織ハマスが、バイデン米大統領が最近提案した新たな停戦案に対して、終戦を前提にすべきという従来の考えを曲げていない修正案を提示した。

ハマスとパレスチナ武装勢力のイスラム聖戦(PIJ)が新しい「3段階停戦案」に対し、これまでの主張と前提条件を含めた回答を仲介国に伝えている。

停戦交渉が難航し、ハマスとイスラエルの対立が続く中、イスラエルとレバノンのヒズボラとの対立も激化している。

パレスチナのイスラム組織ハマスが、バイデン米大統領が最近提案した新たな停戦案に対して、終戦(恒久的な停戦)を前提にすべきという従来の考えを曲げていない修正案を提示した。これによって停戦交渉が早期に進むのは難しいとの見通しが出ている。

ニューヨーク・タイムズなどによると、ハマスとパレスチナ武装勢力のイスラム聖戦(PIJ)はこの日共同声明を出し、「終戦に向けた交渉妥結に肯定的に臨む準備ができた」としながら新しい「3段階停戦案」に対する回答を仲介国のエジプトとカタールに伝えたと明らかにした。PIJはパレスチナでハマスに次いで勢力が大きい武装勢力で、ハマスとともにイスラエルと交戦中だ。

しかし同紙によると、この修正案には「完全な戦争の終息」と「イスラエル軍撤収」などこれまでハマスが主張してきた交渉の前提条件が含まれていたという。ロイター通信もイスラエル当局者の話として「ハマスが主要で最も意味ある要素をすべて変更した」と報道した。ハマスが事実上新たな停戦案を拒否したのだ。ただ修正案の具体的な内容はまだ明らかになっていない。

これに対しCNNは「交渉のカギを握るハマスのガザ地区指導者シンワル氏が現在ハマスが(イスラエル、米国より)優位にあると信じているため」と分析した。イスラエルのネタニヤフ首相が内外でさまざまな面で守勢に追い込まれた状況ですぐに停戦する必要はなく、それで「終戦」を持続して要求しているという意味だ。

11月の大統領選挙を控えたバイデン政権はあせる様子だ。この日イスラエルを訪れたブリンケン米国務長官は「ネタニヤフ首相に会って停戦案を順守するという確約を受けた」と明らかにしたが、交渉は容易ではないだろうという見通しが支配的だ。ハマスが停戦案受け入れを拒否したが、ネタニヤフ首相もやはり「ハマス撃退」「人質全員解放」など既存の目標に固執しているからだ。ニューヨーク・タイムズは「ネタニヤフ氏は終戦を含む合意を受け入れる場合には連立政権から離脱するという極右勢力に振り回されている」と説明した。

バイデン大統領は先月、イスラエル交渉団の提案として新たな停戦案をハマス側に渡している。▽イスラエル軍がガザ地区の人口密集地域から撤収して6週間停戦し、一部人質を解放する第1段階▽すべての生存する人質を交換しイスラエル軍がガザ地区から撤収する第2段階▽ガザ地区再建を始める第3段階――で構成される案だ。

交渉に進展がない中でイスラエルとレバノンの親イラン武装組織ヒズボラとの対立も激化している。ワシントン・ポストなどによると、この日イスラエル北部と国境を接するレバノン南部でヒズボラ高位司令官と軍人3人がイスラエル軍の空爆で死亡した。同紙は「国境地帯で双方の空爆がさらに頻繁に