キシリトール多量摂取、心臓発作・脳卒中のリスク2倍に 新研究

AI要約

キシリトールを多く摂取すると心臓発作、脳卒中、死亡リスクが約2倍に上昇する可能性があることが明らかになった。

キシリトールやエリスリトールは血小板を凝固しやすくさせる可能性があり、血栓を引き起こす可能性がある。

砂糖の代替品として推奨されるキシリトールだが、糖尿病リスクのある人ほど血栓症にかかりやすいという懸念がある。

キシリトール多量摂取、心臓発作・脳卒中のリスク2倍に 新研究

(CNN) 低カロリー甘味料であるキシリトールを最も多く摂取した人は心臓発作、脳卒中、死亡のリスクが約2倍になる可能性があることが新たな研究で明らかになった。キシリトールは糖質を抑えた食品やガム、歯磨き粉など多くの製品に使われている。

この研究の筆頭著者であるスタンリー・ヘイズン博士は、キシリトールが入った一般的な飲み物を健康な人に飲んでもらったところ、血中のキシリトール濃度が1000倍に上昇したと述べた。砂糖を摂取したときに血糖値が10~20%上がることはあっても1000倍になることはないという。

この研究者らは2023年、ステビア、ラカンカ、ケトを使った低糖質製品の充填(じゅうてん)剤として使用されるエリスリトールと呼ばれる別の低カロリー甘味料についても同様の結果を発見した。

両論文で発表された追加の実験および動物を用いた研究により、エリスリトールとキシリトールは血小板を凝固しやすくさせる可能性があることが明らかになった。凝固した血栓は血管から剥がれ、心臓に移動して心臓発作を引き起こしたり、脳に移動して脳卒中を引き起こしたりする可能性がある。

業界団体の会長はCNNに対し、この研究結果は「世界中の保健機関や規制当局がキシリトールなどの低カロリー甘味料の安全性と有効性に関して数十年にわたり実証してきた科学的証拠に反している。これらの調査結果は、健康増進の手段として代替甘味料に頼っている人々にとってひどい話だ」と語った。

砂糖と同じくらい甘く、カロリーは半分以下のキシリトールは、シュガーレスガムやマウスウォッシュ、せき止めシロップなどによく使われている。キャンディーや焼き菓子、ケチャップ、プリンなどに大量に添加されることも多い。

キシリトールは糖アルコールで、カリフラワー、ナス、レタス、キノコ、ほうれん草、イチゴなどの食品に自然に含まれる炭水化物。しかしヘイズン氏によると、そのような食品に含まれるキシリトールの量はごくわずかだ。

商業用途では、キシリトールはトウモロコシの芯、樺(かば)の木、または遺伝子組み換え細菌から作られる。

ヘイズン氏は「キシリトールはいわゆる天然甘味料として販売されており、血糖値を急上昇させないため、低炭水化物やケトン食と相性がいいと宣伝されている」と述べた。

多くの専門家団体も、肥満、糖尿病、糖尿病前症の患者に血糖コントロールを改善するために砂糖の代替品としてキシリトールを推奨しているという。

しかし糖尿病のリスクがある人は血栓症に最もかかりやすい人々であり、ヘイズン氏は「私たちは間違った人々を対象にしている」と警鐘を鳴らした。