ブラジル南部の大規模洪水、気候変動で発生確率2倍に=研究

AI要約

ブラジル南部の大きな被害を出した洪水は、気候変動とエルニーニョ現象の影響により発生確率が2倍になったという研究結果が発表された。

洪水による死者は170人を超え、約58万人が避難を余儀なくされるほどの規模だった。

気候変動により洪水の発生確率が増加し、エルニーニョ現象が降雨量を増加させたことが指摘されている。

ブラジル南部の大規模洪水、気候変動で発生確率2倍に=研究

[サンパウロ 3日 ロイター] - 異常気象を分析する国際研究グループ「ワールド・ウェザー・アトリビューション」(WWA)の科学者チームは3日、大きな被害を出したブラジル南部の洪水について、気候変動により発生確率が2倍になっていたとする研究結果を発表した。また、エルニーニョ現象も豪雨がより激しくなった一因だと指摘した。

ブラジル最南端リオグランデドスル州を先月襲った暴風雨と洪水は死者が170人を超え、約58万人が避難を余儀なくされた。地元当局によると、同地域の災害としては史上最悪規模だという。

WWAの専門家らは、現状の気候でも今回の豪雨は100─150年に1度しか予想されない「極めてまれな」現象だったが、化石燃料使用による影響がなければさらに起こりにくかっただろうと指摘。気候変動によりブラジル南部の洪水発生確率は2倍、激しさは6─9%増したと推定した。

またエルニーニョ現象がこの災害の発生確率を2─5倍に引き上げ、降雨量を3─10%押し上げたとの見方を示した。

ブラジル国立宇宙研究所(INPEの)研究員、リンカーン・アルベス氏は「ブラジルの気候はすでに変化している。この研究は、人間の活動がより激しく頻繁な異常気象の原因であることを裏付け、ブラジルが気候変動に脆弱であることを浮き彫りにした」と述べた。