通知が届くのは「未成年者のいる世帯」だけ…韓国政府「性犯罪者の身元公開サービス」限界

AI要約

韓国で小学生の子どもを育てる女性が性犯罪者との共同住居を心配するエピソード。

女性家族省が隣人に性犯罪者の身元公開サービスを提供しているが、効果が限定的であることが指摘されている。

政治家が告知範囲の拡大を提案しているが、可決には至っていない。

通知が届くのは「未成年者のいる世帯」だけ…韓国政府「性犯罪者の身元公開サービス」限界

【06月03日 KOREA WAVE】韓国で小学生の子どもを育てる会社員の女性(40代)。最近、女性家族省から「性犯罪者が自宅の近くに引っ越した」というカカオトークのメッセージを受け取った。過去に女性10人に性的暴行を加えた人物がある自治体に転入届を出したことが話題になったため、女性は同省からのメッセージを注意深く見た。

一方、この女性の隣人である60代女性と20代女性にはメッセージが来なかった。ともに世帯に未成年者がいないためだ。

出所した性犯罪者が転入すると隣人に知らせる女性家族省の「性犯罪者の身元公開サービス」。その効果が限定的だという指摘が出ている。発信されるのが、性犯罪者と同じ地域に住む「満19歳未満の児童・青少年の子どもを持つ家庭」に限られているためだ。

女性家族省によると、現在、性犯罪者の転入時に同じ地域の世帯主に知らせる「性犯罪者身元情報告知書」は、世帯主のネイバー・カカオトークアプリケーションで発送される。また、世帯主がモバイル告知書を見なければ、郵便で再送する。

受信者はメッセージ・郵便物で性犯罪者の▽名前と年齢▽写真▽身体情報(身長・体重)▽住所▽電子装置装着の有無――を確認できる。未成年者の子どもがいない家庭は告知書を受け取ることができず、隣の家に性犯罪者が住んでいても全くわからないこともある。モバイル告知書を外部と共有することは違法行為となるためだ。

もちろん、女性家族省の「通知(e)サイト」で本人認証手続きを経て性犯罪者の自宅住所を確認できるが、これを定期的に一つ一つ確認するのは容易ではない。

女性家族省は「過去には告知範囲を『単身世帯女性』まで拡大しようという声もあったが、むしろ一人暮らしの女性たちの住所を収集する過程で情報が漏洩する恐れがある」と指摘する。

昨年、政界でも告知範囲を増やそうという法案が発議されたが、結局、国会本会議で可決されなかった。

最大野党「共に民主党」のコ・ヨンイン議員は昨年3月、犯罪者登録情報公開・告知制度を「児童・青少年の性保護に関する法律」から「性暴力防止及び被害者保護法」に変更し、告知対象に女性単身世帯を追加する内容を盛り込んだ改正案を発議している。

(c)KOREA WAVE/AFPBB News