【虎になれ】大山悠輔ら従来の主力の奮起は必要 佐藤輝明よ、1軍で打て

AI要約

阪神は痛い敗戦を喫し、交流戦3連敗、今季初の4連敗となった。

岡田監督と新庄監督の交流戦前の会話や、美馬の先発が阪神のチャンスだったことが強調されている。

チーム内での主力選手の奮起や、敵チームの状況に頼りながらも勝利を目指す野球の要素が取り上げられている。

【虎になれ】大山悠輔ら従来の主力の奮起は必要 佐藤輝明よ、1軍で打て

<日本生命セ・パ交流戦:ロッテ5-4阪神>◇31日◇ZOZOマリン

 痛すぎる敗戦だ。交流戦3連敗、今季初の4連敗。久々の2桁安打を放ち“2点打線”にしては4点を奪ったものの、抑えのゲラがリードを守れず、延長10回、最後は漆原大晟が押し出し四球ときた。

 痛すぎる…と決めつけるのは、独断で言ってこの試合は阪神にチャンスだったと思うからだ。ローテーション通りならロッテは佐々木朗希が先発する順番だった。しかし疲労を考慮し、登録抹消。その結果、この日は今季2度目の先発となるベテラン美馬学だった。その美馬から6回途中までに前川右京のプロ1号2ランなどで3点を奪った。

 ロッテは前日までヤクルトと2試合連続で引き分けている。「本当は延長やりたくなかった。ちょっと投手疲れさせただけで、あまりいいことなかったんで」。敵将・吉井理人はそう話していたという。

 阪神にすれば、いまの打線の状況で佐々木との対戦になっていれば苦しんだのは想像に難くない。もちろん勝負はやってみなければ分からないが正直、そうだろう。だが美馬。そこをなんとか攻略したのだ。

 話を前日5月30日の日本ハム戦に戻す。試合前に交わされた指揮官・岡田彰布と日本ハム監督・新庄剛志の会話だ。29日に阪神ユニホームで岡田と記念写真を撮ったことに礼を言った新庄は同時にこう言った。

 「セ・リーグをコテンパンにやっつけておきますね」。いかにも新庄らしいがこれに対して岡田はこう答えたそうだ。「それ、ほんま、頼むで」-。

 冗談ぽいが岡田は、結構、本気だと思う。交流戦は独特だ。当たり前だが、セ・リーグの各チームが苦しんでくれれば、阪神にとってはありがたいこと。日本ハムとは1試合を残しているがそこまでは快調に勝ち進んでくれるのは阪神にとって望むところなのだ。

 野球に限らず、勝負事に他人頼み的な要素は重要である。自軍が苦しくても相手がそれ以上に状況がよくないならチャンスは生まれてくるのだ。相対的な力関係、状況は大きい。それだけにこの敗戦は痛い。

 前川がこの日をきっかけに大きく飛躍すれば言うことはないが2軍にいる佐藤輝明を含め、やはり大山悠輔ら主力の奮起は必要だ。佐藤輝はこの日、ウエスタン・ソフトバンク戦でサヨナラ弾を放った。1発のこわさを持つ存在は、やはり必要だろう。早く帰って1軍で打ってくれと思う。(敬称略)

 【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)