「FC町田ゼルビア」が衝撃の〝J2首位〟「連敗なし」を実現する黒田監督のマネジメントの真髄

AI要約

FC町田ゼルビアがJ1で快進撃を続けており、首位に立っている。

町田は抜かりないスタイルで寄せが早く、組織的な守備から一気に相手ゴールに迫るプレーを展開している。

新戦力の補強や黒田監督のマネジメント力もチームの成功に貢献している。

「FC町田ゼルビア」が衝撃の〝J2首位〟「連敗なし」を実現する黒田監督のマネジメントの真髄

 今シーズン、J1に初昇格したFC町田ゼルビアの快進撃が続いている。

 現在、11勝2分け3敗、勝ち点35(5月30日終了時点)で堂々の首位に立ち、2位の鹿島アントラーズに勝ち点3差、3位の昨季覇者・ヴィッセル神戸に同6差をつけている。得失点差+15も全体トップの数字であり、決して“春の珍事”などではない。間もなくシーズンの折り返し地点を迎えるが、もはや混戦J1の主役と言っていい。

 町田のサッカーを平たく表現するなら、“抜かりがないスタイル”と言えようか。

 とにかく寄せが早く、球際に強く、組織的な守備でシュートチャンスの芽をつぶすと、ロングボール、ショートカウンターで一気に相手ゴールに迫る。空中戦に滅法強いFWオ・セフンの高さをシンプルに活かしつつ、サイドにボールが渡れば積極的に仕掛けていく。よく走り、よく戦う。攻守において90分間、高強度のプレーをベースに置き、代名詞となっているロングスローや多彩なセットプレーという武器もある。

 ちょっとした穴もつくらず、逆に相手のちょっとした穴をこじ開けてしまうというのが、強さの源にあると感じる。

 町田の筆頭株主はIT大手のサイバーエージェント。J1で勝てるチームにするべく、資金力を活かしてロシアワールドカップで活躍したDF昌子源、日本代表に復帰したGK谷晃生、コソボ代表DFイブラヒム・ドレシェヴィッチ、オ・セフンら的確な大型補強が当たっているのは確か。

 ただ、新戦力をフィットさせ、組織をしっかりと動かしている黒田剛監督のマネジメントが何よりも光る。チームとしての狙いを明確に持ち、かつ足並みを乱すことなく忠実に組織としてやり切る力。そして勝者のメンタリティを注ぎ込み、浸透させていく力。鹿島アントラーズで数々のタイトルを手にしてきた昌子も移籍してきた当初、指揮官にこんな印象を抱いたという。

 「黒田監督をはじめコーチの金(明輝)さん含めてテクニカルスタッフ全員が練習から勝負にこだわっているし、(選手に)こだわらせています。いや、このクラブに携わっているすべての人がそうだなっていう印象。監督が1年通して植えつけてきたんでしょうね。(青森山田高で)勝ちを求めてチームを率いて結果を出してきた監督ですし、負けることへのアレルギーは強烈なものがありましたね」