サプライズ起用の日本ハム・山崎 先制打からリーグトップの6勝目

AI要約

日本ハムの山崎福也投手が打撃でも活躍し、6番打者として先制打を放つ。

山崎投手は投打に渡る才能を見せ、試合を通じてファンを楽しませる。

甲子園での一戦では、山崎投手が投打でチームを牽引し、圧倒的な存在感を放つ。

 ◇○日本ハム6―0阪神●(30日・甲子園球場)

 本職は投手だが、バットを握るとニコニコしている。打撃に関心が集まるのもこの選手の魅力だろう。日本ハムの先発・山崎福也投手が打順で6番に入って先制打を放てば、投げてはパ・リーグトップの6勝目。指名打者(DH)制のないセ・リーグの本拠地での交流戦を楽しんだ。

 打撃センスを発揮したのは四回の第2打席だった。無死一、三塁の好機で左打席に入ると、1ストライクから「球が浮いてきたのでいい感じにバットに乗りました」と外角の球を逆らわずに流した。打球は遊撃手の頭を越えて中前へ。一塁塁上で両手を突き上げて満面の笑みを浮かべた。

 試合前の先発メンバー発表で、山崎投手の打順がアナウンスされると甲子園はざわついた。それだけ投手が6番を打つことは珍しい。新庄剛志監督が打力を買ってのサプライズ起用で、試合当日の夕方に告げられたという。バットとバッティング手袋は自前のものを使い、肘当てなどは捕手の田宮裕涼選手から借りた。

 打つことが大好きだ。東京・日大三高3年の時、準優勝した春のセンバツ大会で計13安打を放ち、甲子園で個人大会通算の最多安打タイ記録を達成したほどだ。昨年に初めて選出されたオールスターでは手袋を用意し、事前に素振り練習するほど打席に立つ意欲は強かった。

 この試合では自らの先制打で打線を勢いづけると、先発としても7回無失点と好投。投打で甲子園を沸かせた山崎投手は「『野球やってるな』という感じがしますね」としみじみと語った。【荻野公一】