生田目が十両昇進、改名はなし「変えないで行こうと」ヤンチャだった子どもの頃…母へ感謝の思い

AI要約

日本相撲協会は名古屋場所の番付編成会議を開き、新十両昇進を果たした生田目の記者会見や昇進の経緯が報じられた。

生田目は本名のまま土俵に上がることを決め、春場所で新十両の可能性があったが夏場所で昇進を果たす。その際、母に感謝の思いを述べた。

生田目は幼少時代から様々なスポーツに打ち込んできた経験を持ち、関取昇進をきっかけにさらなる向上を目指している。

生田目が十両昇進、改名はなし「変えないで行こうと」ヤンチャだった子どもの頃…母へ感謝の思い

 日本相撲協会は29日、東京・両国国技館で大相撲名古屋場所(7月14日初日、ドルフィンズアリーナ)の番付編成会議を開き、十両昇進力士3人を発表した。

 新十両昇進を決め、晴れて関取の座をものにした生田目(なばため、22=二子山、栃木県さくら市出身)が同日、両国国技館内で師匠の二子山親方(元大関雅山)同席の元、記者会見を行った。西幕下2枚目で臨んだ先の夏場所は5勝2敗の成績を収め、昇進を決めた。

 当初は、関取になった際に改名することを示唆していたが「今の本名で上がったので変えないで行こうと。十両でしっかり場所を務められたら考えよう」(二子山親方)と、当面は本名のまま土俵に上がる。昇進を決め「少しずつ実感がわいてきた」とし、入門から4年半を「プロに入って体作りとか稽古とか、自分との闘いだった。何年で(昇進)とは気にしてなかったけど自分では早い方かなと思います」と振り返った。

 3月の春場所も、勝てば新十両の可能性があった、千秋楽の最後の7番相撲に敗れ4勝3敗で見送り。その千秋楽の朝稽古で、声をかけなかったことを悔やんだ二子山親方は、やはり4勝2敗で迎えた夏場所千秋楽の7番相撲に臨む生天目に「うれしい(千秋楽)パーティーにしような」と言って送り出した。「リラックスして臨めた」と生天目は5勝目を挙げ、晴れて昇進を決めた。

 その7番相撲は「母の前で相撲を取るのは初めて。思い出の一番。すごく幸せだった。笑って泣いてました」と生田目。「小さいころ、自分はヤンチャで母と離れて(施設で)暮らしていた。離れて暮らして初めて母の大切さに気づいた」という。その母・由貴さんへ恩返しの昇進でもあった。

 栃木・矢板高時代は関東大会準優勝、高校総体出場などはあるが「実績はなかった」。それでも二子山親方は「絶対に上がると思ってスカウトしました。分からないことがあれば、すぐに聞いてくる。向上心が高いのが成果に表れた」という。突き押し相撲に磨きをかけ「次の幕内を目指して頑張ってほしい」と願った。

 茨城県出身のプロ野球日本ハムの生田目翼投手(29)とは、明確な関係性は不明だというが、生田目姓のルーツが出身地に近いことから「親戚ですよ」と確信している。自身は卓球、水泳、吹奏楽をいそしんだ幼少時代、野球では捕手をしていたこともあり「会ってみたいけど、まだ会ったことがないんです。でもSNSでは、お互いに頑張りましょうと言ってます。波はあるみたいだけど、いい球を投げますよ」と、切磋琢磨(せっさたくま)しあえる存在のようだ。自らも「ストレート」な突き押しに磨きをかけ、番付を上げて行く。