《ノーノー達成》巨人・戸郷翔征(24)はなぜ“ドラフト6位”の低評価だった? 日本代表を圧倒も…関係者「あんなフォーム、怖くていじれない」

AI要約

5月24日の阪神戦、8回までノーヒットで快調に投げ進めてきた戸郷翔征投手が、9回に四球を与え、続く中野拓夢を空振り三振に切って取り、危なげなくピッチングを続ける驚異的な投球ぶりを見せる。

巨人との同点試合で、途中出場の代走・植田海が危険なランナーとして二塁にいる中、戸郷投手は冷静に状況を受け止め、外圧を全く感じさせないピッチングを見せる。

戸郷翔征投手の凄さは高校日本代表メンバーたちも認め、2018年の高校ジャパンに一石を投じた存在であることが、改めて示される。

《ノーノー達成》巨人・戸郷翔征(24)はなぜ“ドラフト6位”の低評価だった? 日本代表を圧倒も…関係者「あんなフォーム、怖くていじれない」

 5月24日の阪神戦、8回まで2つのエラーだけで、ノーヒットで快調に投げ進めてきた戸郷翔征投手が、9回、先頭の8番木浪聖也遊撃手に四球を与えてしまった。

 代打・小幡竜平内野手(延岡学園高)は、同じ宮崎県高校球界の同期生としてしのぎを削ってきたライバルだ。バントで送って、さあ、1番・近本光司中堅手、2番・中野拓夢二塁手。タイガースが誇る「山椒は小粒でもピリリと辛いコンビ」の登場。快挙の夢ついえるとすれば、ここか。ありがちなストーリーである。

 近本光司の一塁ライナーにはハッとさせられたが、続く中野拓夢を、フォークで空振りの三振に切って取ったのには驚いた。

 同点のランナーが、二塁にいた。俊足の代走・植田海。2死だからセカンドリードも大胆で、もしフォークが沈み過ぎてパスボールにでもなったら、バックネットまで距離のある甲子園だ。一気にホームへ突入、ノーヒットノーランどころか、同点という可能性もあった。

 状況は確かにそうだったが、映像で見ている戸郷投手のマウンドさばきからは、そんな危うい気配など全く伝わってこない。

 平然と、淡々と、飄々と。ただでさえ、巨人戦の甲子園球場である。画面からは聞こえてこないが、おそらく現場では「阪神命」の大観衆からの絶叫や念力……戸郷投手への「圧」は、ピークに達していたはずだ。

 なのに、マウンド上の戸郷投手だけが、一切の外圧を遮断した「カプセル」に入って打者と向き合っているような異次元ぶり。

 最後は「どうせやるな」と、妙に安心して見ていられたのだから、巨人・戸郷翔征投手というのは、果てしなく凄い投手になったものだと、あらためて驚いた。

 戸郷翔征投手が、昨シーズンのセ・リーグ覇者・阪神タイガース戦で、ノーヒットノーランの快挙を成し遂げたことは、2018年の高校日本代表のメンバーたちが誰よりも「そうだろう、そうだろう!」と納得しているのではないか。

 大阪桐蔭高・根尾昂(現・中日、投手)、同・藤原恭大(現・千葉ロッテ、外野手)、報徳学園高・小園海斗(現・広島、内野手)、浦和学院高・蛭間拓哉(→早稲田大、現・西武、外野手)、常葉大菊川高・奈良間大己(→立正大、現・日本ハム、内野手)……その年、2018年の「高校ジャパン」は「歴代最強打線では」の評価もあったほど、甲子園の俊英たちが居並んでいた。

 実際に、少し前の「大学日本代表」との交流試合では、早稲田大・小島和哉(現・千葉ロッテ)、日本体育大・松本航(現・西武)、明治大・森下暢仁(現・広島)、東北福祉大・津森宥紀(現・ソフトバンク)らのちにプロ球界に進み、投手陣の一角として奮投する快腕たちを相手に、その投球を結構、バットの芯で捉えていた逸材たち。

 そのチームと、サンマリンスタジアム宮崎での練習試合で、真っ向勝負をいどんだのが「宮崎県選抜」のエース・戸郷翔征、その人であった。