「技術さえあれば、どんなメンタルでも打てる」――“水原騒動”に対する大谷翔平の回答にNY紙も脱帽「オオタニの偉大さ不変だ」
大谷翔平が囲み取材で元通訳の賭博スキャンダルについて堂々と答える姿に感嘆の声が上がる。
米連邦捜査局が大谷を被害者と公言し、事件の影響が小さくなってきていることが伝えられる。
大谷自身はメンタルの影響を気にせず、技術があればプレーに集中できると語る。
どこか達観したようだった。
現地時間5月27日に敵地で行われる予定だったメッツ戦を前に、大谷翔平（ドジャース）は囲み取材に対応。地元ニューヨークのメディアも集う場では、自身の給与口座から資金を不正利用して違法賭博を行なっていた元専属通訳の水原一平容疑者に関する質問にも堂々と答えた。
今年3月に判明して以来、世間を騒然とさせ続けてきた一大ニュースだ。大谷の口座から1600万ドル（約24億5000万円）を不正送金していた水原氏は、胴元との関係を持ち始めた2021年の12月からの約2年間で1万9000回もの賭博を実施。その間に総損失額は1億8290万ドル（約279億8370万円）を抱え込んだというニュースの全容は、事件発覚当時に「気持ちを切り替えるのは難しい」と証言した大谷や周辺関係者にとっても衝撃的だったのは想像に難くない。
もっとも、米連邦捜査局が「オオタニは被害者」と公の場で明言。ゆえに本人に対する事件の影響は小さくなってきていると言える。そうしたなかで「水原一平被告の事件についてパフォーマンスへの影響はあるか」と改めて問われた大谷は、毅然とした態度で応えた。
「睡眠が足りなかったのが一番問題ではありましたけど。メンタルがプレーに影響するとは思っていないですし、しっかりとした技術さえあれば、どんなメンタルでも打てると思っているので。グラウンドとやるべきこととは全く切り離してやりたいなと思っています」
この言葉は大谷の偉才ぶりを物語るものと言えよう。あれだけのショッキングな事件を受けてもなお、「技術さえあれば、どんなメンタルでも打てる」と言えるのは流石というほかにない。
そんな大谷の胆力を目の当たりにしたニューヨークのメディアからは感嘆の声が上がった。日刊紙『New York Post』は「ショウヘイ・オオタニの偉大さは不変だ。賭博スキャンダルの混乱によって鈍ることはない」と絶賛。「オオタニ、君はメジャーリーグの顔であり、7億ドルの男だ。親友であった通訳に裏切られ、ギャンブルによる借金の返済のために銀行口座から1600万ドルを盗まれたが、世間の評判や、常に成長し続ける君のレガシーが失われることはない」とメッセージを発信した。
時に辛口なニューヨークのメディアをも脱帽させた大谷。改めて彼の存在感は稀有だと言えよう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
