狙っていた“左SBの裏”…敵地埼スタで先制弾&劇的PK演出の町田MF平河悠「一瞬のスキを突けた」

AI要約

U-23日本代表の平河悠が活躍し、FC町田ゼルビアが浦和を2-1で破る

平河は先制ゴールを含む2得点に絡み、勝ち点3を獲得

平河の準備と自信、チームの勝利についてのコメントが光る

狙っていた“左SBの裏”…敵地埼スタで先制弾&劇的PK演出の町田MF平河悠「一瞬のスキを突けた」

[5.26 J1第16節 浦和 1-2 町田 埼玉]

 U-23日本代表の大岩剛監督がスタンドから見つめる中、しっかりとアタッカーの仕事をした。FC町田ゼルビアのパリ五輪代表候補、MF平河悠が先制ゴールを含むチームの全2得点に絡む大活躍。チームの首位キープに貢献した。

 最初の見せ場は0-0で折り返して迎えた後半7分だ。左サイドで浦和ボールを奪ってつないだ後、後半開始からピッチに立ったFWナ・サンホのクロスに平河が瞬時に反応。完璧なトラップから左足で打ったシュートは浦和GK西川周作に一度は阻まれたが、こぼれ球を右足で押し込んで先制した。

「相手の左サイドバックの選手のクロス対応はウィークだと(スカウティングが)入っていた。サンホが良いタイミングで顔が上がったタイミングで目が合ったので、相手のセンターバックの裏が空くと思った。一瞬のスキを突けた」と淡々とした言葉に喜びをにじませた。

 1-1に追い付かれていた後半アディショナルタイム6分には、決勝点を“お膳立て”した。平河の絶妙なスルーパスを受けたナ・サンホがペナルティーエリア内で浦和DFアレクサンダー・ショルツに倒されてPKを獲得し、これをMF下田北斗が決めて2-1と勝ち越し。平河は「サンホは一瞬のところで空いたのが見えたので出した。こういう時にこういうプレーが出るのは今年の勝負強さだと思う」と胸を張った。

 埼玉スタジアム2002でのプレーはチーム初。4万人近いファン・サポーターの声援はすさまじかったが「すごく楽しかった。声が通らないことを想定して戦術理解もいつも以上に集中して取り組んだ結果、相手の攻撃をほとんどやらせなかったと思う」と言うように、勝ち点3は周到な準備のたまものだ。

「きょうの試合は相手の両センターバックと西川選手がいるので、いつも通り普通に対人に勝ってクロスを上げても入ることはないだろうと分かっていた。いつも以上にクロスの精度と、ペナルティーエリアまでえぐることと、相手のサイドバックまで見て相手のウィークを突けるかが大事だと話していた。1点目なんかはそのシーンが出たと思う」(平河)

 言葉の端々に微に入り細をうがつように準備を重ねて来た姿が目に浮かぶ。そして、それは自信につながっている。

「自分たちが走って、闘って、やりたいことをやった試合で負けたことはない。特に自分は今年、広島戦以外は負けていない。自分たちがやらなければいけないことをやれば勝てるというのは実感している」。チームはここまで3敗しているが、そのうちの2試合は平河とFW藤尾翔太がAFC U23アジアカップ出場のために不在だった期間のものだ。

 上位の浦和を相手に2得点を挙げて粘り勝ち。「今日みたいに神戸や広島がこけて勝ち点差を開けるときに開いておかないとキツくなってくる。去年はこういう試合で勝てて勝ち点差を離せたことでずっと首位をキープできた。ターニングポイントじゃないけど、こういう試合で勝ちをしっかり拾おうと試合前に強く言っていた。1週間の練習の準備が出たかなと思う」。言葉選びひとつをとっても既に勝者のメンタリティーすら備わっている様子だ。

 平河にとっては3月9日の第3節・鹿島戦で2得点して以来、久々のゴールでもあった。「毎試合のようにチャンスをメイクしていたし、それが数字につながっていない中でもネガティブにならずに自分の価値を出すためにパフォーマンスを続けていた結果で、今日なんとか1点取れましたけど、慢心することなく、今日以上のパフォーマンスを次に出したいと思います」。浮かれる様子なく謙虚に言った。

(取材・文 矢内由美子)