将来を見据えての決断 モンゴル出身の千代翔馬が日本国籍を取得「ずっと前から考えていた」

AI要約

モンゴル出身で西十両3枚目の千代翔馬(32=九重)が日本国籍取得を官報で告示。新たな名前「石橋翔馬」を名乗り、引退後の新たなステップに向かう。

千代翔馬は相撲留学を経て15年間活躍し、2年前に日本国籍申請。年寄名跡の取得など今後のプランは未定。

新たなアイデアを生む外国出身親方の増加とともに、千代翔馬の決断は時代の流れを反映。異なる文化の融合が相撲界に新たな風を吹かせる可能性も。

 モンゴル出身で西十両3枚目の千代翔馬(32=九重)が日本国籍を取得したことが22日付の官報で告示された。本名ガンバータル・ムンクサイハン。今後は福岡の後援者から名前をもらい「石橋翔馬」になる。自身の国籍を変える。なかなかに大変な決断だが、引退後も日本相撲協会に残るには不可避なことだ。

 親方となる年寄名跡の襲名には日本国籍が必要。次の段階として、年寄名跡の取得があるが、そこは「まだ全く何もない」と明かす。高知・明徳義塾高に相撲留学。09年名古屋場所で初土俵を踏み15年。「ずっと前から考えていた」と日本に生活の基盤を築くべく、約2年前に申請した。

 家族間で複雑な問題も残る。18年12月に結婚したブルテ夫人はモンゴル国籍のままという。ともに日本への永住ビザは取得していたが、千代翔馬は将来を見据えての決断に至った。「自分の人生の中で最も大変な書類申請だった」と今は笑って振り返る。

 外国出身力士が増え、日本国籍を取得して引退後に親方となるケースも増えてきた。現在、宮城野親方(元横綱白鵬)、音羽山親方(元横綱鶴竜)らが職責を担う。世界に門戸を広げる時代の流れ。そこに日本人の考えにない、新たなアイデアが生まれるのかもしれない。【実藤健一】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)