【日本代表】U23エース格、鈴木唯人「飛び級」で選出へ デンマーク1部で直近7得点6アシスト

AI要約

U-23日本代表の鈴木唯人がA代表に選出されることが分かった。彼は最新のアタッカーであり、ブレンビーで爆発的な活躍を見せている。

A代表への選出は五輪メンバー発表前に行われ、最優先される最上位カテゴリーである森保ジャパンに参加するためだ。

鈴木唯はA代表デビューを果たす可能性があり、同じく五輪に出場するか注目されている。

【日本代表】U23エース格、鈴木唯人「飛び級」で選出へ デンマーク1部で直近7得点6アシスト

 U-23日本代表のエース格、MF鈴木唯人(22=ブレンビー)が6月のFIFAワールドカップ(W杯)北中米大会アジア2次予選(7日ミャンマー戦=ヤンゴン、11日シリア戦=Eピース)に臨むA代表に「飛び級」で選出されることが22日、分かった。今夏のパリ五輪(オリンピック)メンバー発表前、最後の強化活動となるU-23米国遠征(カンザスシティー)と重なるが、日本協会は最上位カテゴリーを最優先。五輪が国際Aマッチデー外でクラブに派遣義務がなく、欧州組の出場可否が流動的な中、デンマーク1部の直近10試合で7得点6アシストと爆発している最旬のアタッカーを、最強の森保ジャパンと融合させる。メンバー発表は24日に行われる。

 鈴木唯が、参戦のゆくえが注目されるパリ五輪の前に、A代表デビューを果たす可能性が出てきた。J1清水エスパルス時代の22年1月、親善試合のウズベキスタン戦に追加招集されたが、試合が中止に。今度は国際Aマッチ初出場へ、関係者によると日本協会からブレンビーへ、U-23米国遠征ではなく森保ジャパンへの招集レターが届いた。

 当然の躍進だ。昨夏、完全移籍したブレンビーで25試合9ゴール(G)7アシスト(A)。うち7G6Aを、先発の座を不動にした直近10戦に固め打ちしており、先月はデンマーク1部の月間MVPに輝いた。優勝決定プレーオフも前節、自身のアシストで首位に浮上。26日の最終戦でAGFに勝てば3季ぶり12度目の優勝が決まる。その立役者として、欧州メディアではアヤックスやシュツットガルトだけでなく、マンチェスターUやトットナムからも「関心」と報じられる。

 日の丸に関しては、パリ世代の2001年(平13)生まれのため、焦点が「五輪に出られるかどうか」に絞られていた。A代表の森保一監督(55)はU-23代表と大岩剛監督(51)の「全面バックアップ」を明言しているが、大前提として「A代表が強化の最前線」との考えが通底している。

 昨年10月にGK鈴木彩を抜てきした際も「Aでプレーできる戦力であれば、Aで経験をより積んでもらって五輪チームに行ってもらうことはあり」と説明。今年1~2月のアジア杯カタール大会も全試合で鈴木彩に先発の座を託し、後にU-23へ還元させるための下地作りを押し進めてきた。

 来月のW杯2次予選は既に突破が決まっており“消化試合”だが、関係者の話では、主将のMF遠藤航(リバプール)を筆頭にフル編成となる見通し。セリエAで本来の動きを取り戻したMF鎌田大地(ラツィオ)も復帰する可能性が高いという。その中で日本協会は、鈴木唯を自世代の米国遠征ではなく、A代表のW杯予選に合流させた方が進化すると判断した模様だ。

 一方、U-23代表では昨秋のアルゼンチン戦で10番を背負って2得点するなど長く自身が中心だった。ここで米国に向かわなかったとしても、連係面に不安が募る心配はされていない。

 もちろん、背景には欧州組のパリ五輪招集が流動的との事情もある。招集の拘束力がなく、鈴木唯は今月上旬まで行われた最終予選(U-23アジア杯)も、クラブから参戦を断られていた。ただ、今回のA選出が「パリ断念」に直結するわけではないという。今、不透明な五輪の出場可否から逆算するより、最高峰のA代表を肌で知る方が、全てにおいてプラスになるはずという算段。五輪は、まだ先の話で、別の話になる。

 ◆鈴木唯人(すずき・ゆいと)2001年(平13)10月25日、神奈川県葉山町生まれ。20年に市船橋高から清水加入。1年目からJ1で30試合に出場し、通算83試合5得点。23年1月に清水から期限付きでフランス1部ストラスブール移籍も、同年7月に清水復帰。翌8月にブレンビーへ4年契約で完全移籍した。昨秋のU-23アルゼンチン戦で10番を背負い2得点。175センチ、70キロ。利き足は右。