「ダルビッシュ君は天才」桑田真澄がホレた才能…“タバコ騒動”から19年、WBCで「エグい!」後輩に愛される“37歳の200勝投手”になるまで

AI要約

ダルビッシュ有(37/サンディエゴ・パドレス)が現地時間5月19日のアトランタ・ブレーブス戦で日米通算200勝達成。10代から現在までの成長、涌井秀章との関係、プロ入りの苦悩と成功を振り返る。

ダルビッシュは高校卒業後早くもプロで活躍し、9年連続2ケタ勝利や奪三振王4度の実績を持つ。一方の涌井もシーズン通じて活躍する中、プロ入りから20年連続で勝利を重ねている。

2009年のWBCではふたりとも侍ジャパンとして活躍し、2023年の大会期間中も共にマウンドで一線級の投球を見せている。

「ダルビッシュ君は天才」桑田真澄がホレた才能…“タバコ騒動”から19年、WBCで「エグい!」後輩に愛される“37歳の200勝投手”になるまで

 ダルビッシュ有(37/サンディエゴ・パドレス)が現地時間5月19日のアトランタ・ブレーブス戦に先発し、7回99球9奪三振無失点で日米通算200勝を達成した。10代の頃から現在に至るまでの成熟ぶりについて、各投手や指揮官が語った雑誌「Sports Graphic Number」「NumberWeb」掲載記事の言葉から知る。

<名言1>

いつかまたダルと投げ合うというのを目標にして今、やっています。

(涌井秀章/Number933号 2017年8月9日発売)

◇解説◇

 横浜高校出身の涌井秀章と東北高校出身のダルビッシュ有がはじめて投げ合ったのは、ふたりが高校3年の2004年6月、秋田での招待試合。その後、高校日本代表に選ばれたふたりは、合宿で同部屋になる。

「僕は一緒にいて楽でしたね。一番良かったのは、お互いに力を引き出し合う感覚があったことです」

 才気溢れる投手同士、引かれ合うものがあったのだろう。

 その年の秋、ダルビッシュは日本ハム、涌井は西武のドラフト1位指名を受けてプロの扉を叩いた。ただダルビッシュについては当時のスカウト間では“あまり練習をしない”などの性格面を含めて、指名を躊躇する球団が多かったとも言われている。

 実際、年が明けてのキャンプイン時期、週刊誌にタバコを手にする姿を報道されてしまい、球団が無期限の謹慎を命じる処分を受けた(本人も2012年のメジャー移籍会見で改めて当時の件を謝罪した)。

 18歳にしていきなりのつまずきだったが……高卒プロ1年目にして初登板で完封目前の好投を見せてプロ初勝利を飾るなど、5勝5敗、防御率3.53の成績を残した。そしてダルビッシュは翌06年から日米を通じて9年連続2ケタ勝利を挙げ、計4度の奪三振王に輝くなど圧倒的なパフォーマンスを見せるようになった。

 一方の涌井も西武で2度、ロッテと楽天でそれぞれ1度と3球団で最多勝を獲得。長年にわたって先発ローテーションを守り続け、在籍4球団目となった中日でも今季すでに2勝を挙げ、20年連続でプロの世界で勝ち星を挙げている。

 2009年のWBCではともに侍ジャパンの一員として連覇に貢献し、2023年の同大会期間では強化試合期間に旧交を温める姿も話題になった1986年生まれのふたりが、今もマウンドで一線級の姿を見せているのは尊敬に値する。